痛みをとるために

腰痛が治らない原因として「おしり」に着目しているあなたは非常に優れた視点を持っています。筆者が臨床の現場で取り組む腰痛改善の施術でも「おしり」へのアプローチが必須であると感じています。今回は腰痛とおしりの関係性について解説します。ぜひ腰痛改善に役立ててください。

本記事を読んでわかること

・腰痛とおしりの関連ついて
・おしりをほぐすと腰痛が改善される理由
・おしりのマッサージが効果的な理由

本記事をオススメしたいひと

・腰の痛みだけじゃなく「おしり」が痛む
・腰痛が長引いて改善しない
・腰よりも「おしり」の痛みが強い

おしりの筋肉は腰の動きを支えている

おしりの筋肉は、上半身と下半身のバランスを調整するとても重要な存在です。ここではおしりの筋肉の働きについて解説します。

(a)腰を曲げる動き

おしりの筋肉は、腰を曲げる動作において「腰を支える」働きを担います。腰を曲げる動作は身体の重心が前方に移動します。前方に移動した重心を後方に引っ張るように働くのがおしりの筋肉です。腰を曲げた前かがみの姿勢では、腰の筋肉と連動して上半身を支えます。つまりおしりの筋肉が硬かったり弱くなっていると腰を支えることが困難になり腰痛を引き起こします。

(b)腰を伸ばす動き

腰を伸ばす、つまり上半身を後ろに反る動きでは、おしりの筋肉が強く働くことでより大きく上半身を後方に反らす動きが可能になります。おしりの筋肉に柔軟性がない状態では上半身を後方に反る動きが制限されます。ストレッチなどで「腰が硬い」と感じる場合はおしりの筋肉の状態を改善することでも大きな変化がみられます。

(c)歩く姿勢の安定

歩く動作は「連続した片足立ち」動作です。つまり歩行では必ず片足立ちになる瞬間があります。例えば右脚で一歩を踏み出そうとするタイミングでは、左脚一本で立っている状態です。このときの左脚を支えるのが左側のおしりの筋肉です。普段あまり意識されない役割ですが、歩行はおしりの筋肉の働きが前提となっている動作となります。ここで問題となるのは骨盤の歪みや脚の長さの左右差などでアンバランスな歩行がおしりの筋肉に過剰な負担をかけてしまうことです。過剰な負担を受けたおしりの筋肉は腰を支えることが困難となり、結果として腰痛を引き起こすことにつながります。

おしりの筋肉の役割から考えて、腰痛の原因となる可能性は大きいといえます。また歩行の不具合をきっかけとした腰痛も、おしりの機能が重要であることが理解できると思います。

腰痛治療では「おしり」へのアプローチが必須

筆者が日々取り組んでいる腰痛改善のアプローチの一番最初に行うのが「おしり」の施術です。その理由は腰痛の原因の多くが「おしり」に存在しているからです。

(a)おしりで多くの腰痛に改善がみられる

腰痛といっても、腰に原因がある場合とそうでない場合があります。腰に関係する筋肉は複数あり、構造も複雑です。また腰痛の種類によってアプローチが異なります。このアプローチを誤ると悪化することもあります。一方でおしりはメインとなる筋肉が1つで、アプローチも容易です。腰と違ってアプローチを誤ることもなく、腰痛を悪化させることもほとんどありません。つまり最初におしりの施術を完了させてしまうことが腰痛の原因の大部分を処理することにつながるのです。

(b)腰の痛みより「動き」の改善が大きい

おしりの施術でみられる大きな変化は「動き」です。「腰を曲げると痛む」「起き上がるときに痛む」といった動作に伴う痛みの改善に役立ちます。腰痛の多くは「動き」と連動しているのでおしりの施術で「動き」が改善されるだけでも腰痛が軽減されます。おしりへの施術で「動き」による腰の痛みを取り除き、残った痛みを個別の筋肉としてアプローチしていくといったイメージです。

(c)硬いおしりは腰痛を悪化させる

自分自身のおしりの筋肉が硬いかどうかを判断するのは難しいと思います。また硬さを判断するうえで、ストレッチでいうところの「関節の硬さ」とも異なります。現代人の「おしり」はデスクワークなどで座って過ごす時間が増え、歩きにくい靴を履いて歩くことや歩幅の狭い歩行の習慣化や、階段の利用頻度の低下などで「使われない筋肉」となっています。使われない筋肉は「硬いおしり」の原因となります。上述のように、腰を支える役割を担うおしりの筋肉が硬くなることは、腰を支える機能が低下することにつながります。おしりの支えを得られない腰は、負担が蓄積し腰痛を引き起こします。

おしりの筋肉が硬くなってしまうひとの3つの特徴

(a)歩幅が狭い

歩行時の歩幅は、おしりの筋肉の柔軟性に大きな影響を与えます。歩幅を広くすることでおしりの筋肉に伸び縮みが生まれます。筋肉が持つ本来の可動域を歩行によって活用してあげることが筋肉を良好な状態にしてくれます。

腰痛 おしり
腰痛 おしり

(b)骨盤や脚の長さに歪みがある

骨盤や脚の長さの歪みは上述のように「歩行」に影響を与えます。このケースでは左右のどちらか片側のおしりに筋肉の硬さがみられます。本来であれば左右のおしりの筋肉が「同じ状態」であること理想です。しかし骨盤や脚の長さの歪みがある場合は片側のおしりの硬さが顕著にみられます。腰痛やおしりの痛みが「片側」に感じる場合は骨盤や脚の長さの状態をチェックしてみることをオススメします。

(c)猫背が強い

猫背の姿勢では身体の重心が前方方向に傾きがちです。上半身が常に前方に引っ張られるので、バランスをとるためにおしりの筋肉は常に後方へ引っ張るように働くことになります。本来であれば腰を曲げたり伸ばしたりするタイミングで限定的に働くおしりの筋肉が、常にフル稼働を強いられている状態です。おしりの硬さと同時に、猫背の程度も確認することが大切です。

腰痛改善を意識したおしりケア

(a)ストレッチ

おしりの筋肉を伸ばすストレッチ方法は複数ありますが、おしりの筋肉が担う役割の大きさを考えると、ストレッチでの改善はあまり期待できません。座っている時間、歩いている時間の多くでおしりの筋肉は活動しています。その負担を数分や数十分のストレッチで改善することは難しいと言わざるを得ません。あくまでも気休め程度と理解しましょう。

腰痛 おしり

(b)ウォーキング

上述のように、歩行時の歩幅を広く取ってあげることでおしりの筋肉は伸び縮みします。広い歩幅でおしりの筋肉をしっかりと使ってあげることが柔軟性の向上につながります。また階段の上り下りもおしりの筋肉を強化することに役立ちます。歩幅を広くすることが重要なので、階段を一段飛ばしで登ることもオススメです。生活の中で歩行は割と多くの時間を占めます。歩行の時間を活用しておしりの筋肉を良い状態にしてあげる習慣を身につけることが一石二鳥といえます。

(c)マッサージ

筆者の感覚では、マッサージや整体などの施術を受けることがおしりの筋肉を柔らかくするうえで最も効率的な方法だと考えます。おしりをテニスボールの上に乗せてみたりセルフでストレッチすること、自身の手でおしりの筋肉を押してみることも疲れる割に効果の期待できない非効率な方法です。腰痛の早期改善を目指すのであれば、プロの施術を受けることをオススメします。

腰痛とおしりの関連は深く、おしりの状態は腰痛改善に大きな影響を与えます。腰が痛むからといって腰ばかりに着目している場合、視点をおしりに向けてみることで改善がみられるかもしれません。ぜひ「おしり」へのアプローチを検討しましょう。

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