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「自律神経失調症」と聞いてどんなイメージが浮かびますか? 複雑な神経の構造で、なかなか改善が難しいという印象が強いと思います。実際、自律神経は非常に精密な働きをしていますが、自律神経失調症の改善に関して難しい知識は必要ありません。今回は自律神経失調症の改善方法についてシンプルにわかりやすく解説します。

自律神経失調症の正体をわかりやすく解説

自律神経失調症とはどのような状態を指すのでしょうか。病名ではなく自律神経が失調したことによる症状全般を意味します。身体に起こるすべての症状は、元をたどればすべて自律神経に行きつくと考えることもできます。ここでは自律神経失調症の正体について説明していきます。

(a)自律神経が「失調」することの意味とは

インターネットなどで自律神経失調症について調べてみても、「結局どうすればよいのか」という明確な「答え」にはたどり着けていない人が多いとおもいます。そこで自律神経失調症についてシンプルに解説します。 自律神経とは人間の身体をコントロールしている組織で、10本のネジのようなもので構成されています。この10本の”ネジ”のうち、2、3本が緩んでいる状態を「自律神経失調症」と呼びます。 専門用語や細かい構造を省略して説明するとこのような比喩表現がわかりやすいと思います。この表現のまま例えると、緩んだ2,3本のネジを「締めなおす」ことが治療となります。このように考えると自律神経失調症の改善は身近なものに感じるはずです。 ここで重要なのは「なぜネジが緩んでしまうのか」という点です。ネジが緩んでしまう原因は人によって、状況によって、環境によって、さまざまです。この部分の複雑さが自律神経失調症の改善を妨げている要因の1つだと考えています。ネジが緩んでしまっていること、そのネジを締めなおせば改善することはわかっています。しかし、なぜネジが緩んでしまうのかという部分が厄介なのです。ひとによってネジが緩んでしまう原因が異なり、それゆえにネジを締めなおす方法も千差万別です。投薬による治療も人によって効果がバラバラで、確立された方法が存在しません。そのくらい複雑で、明確な「答え」を探そうとすること自体が解決までの道のりを遠くしてしまっているようにも感じます。つまり自律神経を複雑に捉えるのではなく、シンプルに、分析よりも改善に近づくための具体的な行動に重点を置くことが大切であると考えます。

(b)いままでの「あなた」を表している

癌という病気は身体の中に癌細胞が増殖することで起こります。つまり原因の存在が明らかです。一方で自律神経失調症は身体の内部に何か問題が存在するのでしょうか。自律神経の働きを妨害する明確な原因は存在しないのです。自律神経は「あなた」の影響を受けることでネジが緩みます。つまり原因は「あなた」にあります。いままでの「あなた」に影響受けた自律神経はネジが緩み、現在進行形でネジが緩み続けているのです。わかりやすい例でいえば「不規則な生活」「昼夜逆転の生活」「ストレス過多」などです。自律神経のネジは、本来の自律神経の働きに合わない生活習慣によって緩んでしまうのです。いままでの「あなた」がどのように生活し、仕事をし、生きてきたかが自律神経のネジの緩み具合となって現れていると考えることができます。思いあたる節はありませんか? 自律神経のネジを緩めてしまう原因はわかりやすいものからわかりにくいものまで幅広く存在します。自律神経失調症の原因が「あなた」にあると考えるならば、改善も「あなた」次第であると前向きに捉えることができるとおもいます。

(c)人間の身体は「自律神経」でコントロールされている

自律神経は「あなた」の手の届かないところで活動しています。あなたが意図的に心臓の動きを止めることはできないですし、血流のスピードを変化させることもできません。人間の身体の生命維持の役割を担っている自律神経は「全自動」な働きを生涯続けます。自律神経のネジが2,3本緩んだ状態でも機能し続けます。2、3本のネジを緩めなおすのか、さらに4本5本とネジが緩んでいくのを受け入れるかは「あなた」次第となります。全自動で働き続けることを前提として、自律神経がどのような状態であることが理想なのかを考えることが大切です。

(d)「生き方」を変えることが改善のヒントになる

いままでの「あなた」が自律神経のネジを緩めていると考えた場合、これからの「あなた」がとても重要です。大きな視点でいえば「生き方を変える」くらいの大きな変化が必要かもしれません。これからの「あなた」が緩んだネジを「締めなおす」ことになります。生き方を変える上で重要なのは「どのように生きてきたか」を振り返ることです。自律神経にとって、自分の身体にとって悪い影響を与えてきた要因はなのか。自律神経の働きを学ぶことも大切です。どんなことが自律神経にとってプラスに働くのか、自律神経失調症にならないひととの違いは何かなど、いままでの「あなた」から学びこれからの「あなた」に生かしていくことが改善のヒントになるはずです。「正解」を求めるのではなく「試行錯誤」によって自分の身体や自律神経にとってプラスになることを探して作業です。自分と「向き合う」ような時間を設けることが必要かもしれません。「どうすればネジが締まるのか」よりも「なぜネジが緩んでしまったのか」を考え、あなたの人生に少しづつ活かしていくことが自律神経失調症の改善につながります。

(e)行動の変化が自律神経を整える

自律神経失調症の改善には「行動」が大切です。現在の生活習慣に変化をつけてみましょう。いままでの習慣を見直し、いままでと違う習慣を取り入れてみることです。「やめる」「やってみる」「変えてみる」「減らしてみる」「増やしてみる」などの「変化」が自律神経に作用していきます。自分の中の常識、世間の常識は気にせず、自分の立てた仮説を検証するように行動してみましょう。次からは具体的な行動について説明します。

頭より行動が先! 実践しながら自律神経失調症を改善する方法

ここで復習です。あなたが目指すべきは「緩んだネジを締めなおす」ことです。緩んだネジを締めなおすために「なぜネジが緩んでしまったのか」を探る必要があります。ネジが緩む原因は「あなた」です。あなたの「行動」「食事」「メンタル」が大きな要因です。ここでは「行動」「食事」「メンタル」における「ネジが緩んでしまう原因の探し方」を解説します。

(a)行動

行動とは生活習慣全般を指します。毎日の行動によって自律神経のネジを緩めてしまうことが多く、自律神経失調症の改善には行動の「改善」が良いとされています。具体的にどのような行動の改善が自律神経失調症の改善に役立つかは多くの考え方が存在します。その中で大きな要因となる行動について説明します。 例えば「早寝早起き」は古来より人間の生体リズムに刻まられた睡眠習慣で、自律神経の働きに沿った睡眠といえます。また日中の活動時間を太陽が出ている時間に限定し日没とともに休養を取るリズムも昔ながらの健康法と考えることができます。睡眠のゴールデンタイムと呼ばれる「22時から2時の睡眠獲得」は近年の睡眠研究で導き出された見解です。現代人の多くは就寝時間が遅くなり深夜帯の時間でも活動していることが当たり前となっています。生活は電子機器に囲まれ、自律神経の働きでいう睡眠リズム(副交感神経優位)のスイッチが入りにくいと考えられています。つまり睡眠とは「睡眠を取ればよい」ではまったく不十分で、「時間帯」と「質(副交感神経優位)」が重要なポイントになります。 運動の習慣を取り入れてみるのもオススメです。運動の頻度や強度よりも「ヘトヘトになるまで運動する」ことが重要です。おもいっきり身体を動かしてお腹がペコペコなる、食事をして満腹になったら寝るくらいの気持ちでまずは週末など、休日に子どもに戻ったかのような一日を送ってみましょう。自身の幼少期を思い出し、自律神経失調症という言葉さえ知らなかったころの生活リズムを取り戻してみることは、緩んだネジを締めなおすことに繋がります。

(b)食事

食事は内臓の消化器官が活発になる要因で、自律神経の働きと大きな関りがあります。食事を摂ると消化のために自律神経でいう副交感神経が優位になります。食事をして眠くなるという流れは自律神経的には自然なリズムで、食事後は休養を取ることが自律神経の働きに沿った行動になります。しかし現代の食事は時間が不規則で食べる物も昔とだいぶ変化しています。一日3食に加えて間食や飲酒といった食習慣は身体にとって大きな負担になるといわれています。また砂糖や塩分は、味覚として感じている以上に体内に取り込まれています。もしあなたが一日3食を基本としている場合、2食に減らしてみることや、3食の食事量を半分程度に減らしてみるなどの「変化」を取り入れてみることをオススメします。 気軽で簡単に食べれる食事は「加工品」ばかりです。「美味しさ」という味覚を追究している加工品は身体に必要な栄養素が不足しがちで、コンビニやファーストフードはその典型です。生野菜や魚、食材をできる限り自然なままで摂取することが内臓への負担を軽減し、自律神経の緩んだネジを締めなおしてくれます。正解はありません。「あなた」の食生活を見直し、「食べ過ぎている気がするから少し減らしてみよう」「外食が多いから自炊をしてみよう」といった「変化」が大切です。また毎日摂取するものがあればそれも見直してみましょう。コーヒー、お菓子、ジュースなど食事以外の間食で摂るものも自律神経のネジを緩めている可能性があります。いままでの「あなた」の食事を変化させることで起こる自律神経失調症の変化を注意深く観察しましょう。

(c)メンタル

自律神経は「あなた」の精神的な問題を敏感に察知します。怒り、不安などのストレスが自律神経を大きく揺さぶります。あなた自身が認識していない場合でも、身体は影響を受けていることがほとんどです。頭痛や肩こり、胃痛、情緒不安定で悩むひとが、医学的な検査で異常が見つからない場合は自律神経が原因と考えられます。自律神経の問題は通常の検査では異常を検出しません。メンタルとはあなたの「性格」の部分なので簡単に変化させることは難しいと思います。しかし自分の性格を分析してみれば「神経質」「凝り性」「不安症」「被害妄想」といった強い傾向があるかもしれません。ときには「妥協」「バランス」「協調」「ほどほど」といった肩の力を抜くような発想も必要です。筆者であれば「死ぬこと以外は問題じゃない」と考えるようにしています。これは筆者自身が「ストレスは自分の身体にとって良くないことである」という発想から心掛けている「意識」です。特に「答えのない問い」は深く悩まないようにしています。まったく考えないのではなく、「ほどほど」に悩んで終わりにします。あなた自身が感じる「ストレス」や「心地よさ」がどのような状況下で起こるのかを分析してみましょう。ストレスの原因を外部に求めるのは得策ではありません。あくまでも自分で自分をコントロールできる原因として捉えます。自分の考え方や立ち位置を変えることでストレスから解放されることが理想です。これもまた、いままでの自分を振り返ることで、これからの自分を考える作業です。メンタルの変化は、自律神経失調症の改善に最も貢献すると筆者は考えています。なぜなら自律神経は人間の感情に連動して働いているからです。「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」とはまさに自律神経を的確に表現しています。メンタルの安定が自律神経の安定に繋がると理解することが大切です。

自律神経の働きや機能のすべてを理解しようとすると時間がかかり、理論的に解決を試みると矛盾が生じたりします。あまり難しいことは考えず、「いままでとは違う生き方」をテーマに自身を振り返ることがスタートです。少しずつでもいままでの生活に「変化」を取り入れることが大切になります。ぜひ実践してみましょう。

痛みをとるために

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自律神経失調症 改善 方法

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