今や身近な存在になったマッサージのチェーン店ですが、どんなシステムなのか気になっている人も多いはず。今回は業界のプロとして、マッサージチェーン店のメリット＆デメリット、そして上手な活用方法を解説します。
この記事の目次
ほかにはない！マッサージチェーン店のメリット
マッサージのチェーン店は、一般的な整骨院や整体にはないメリットがあります。チェーン店に行こうと考えているユーザーにとって気軽に利用できる要因に繋がります。ここではマッサージチェーン店の強みとなるメリットについて解説します。マッサージ店と整骨院、整体の違いについては、こちらの記事をご確認ください。
▼初心者にはわかりにくい整体とマッサージの違いをプロが解説！
(a)店舗数が多い
チェーン店は「店舗数の多さ」が特長的です。都心部の駅近はもちろん、郊外でも主要な駅や道路でも多く店舗を構えています。駐車場が完備されている店舗も珍しくないでしょう。マッサージを受けたいと考えたときに、すぐに店舗を見つけて利用することができます。職場や自宅などの生活圏内に店舗が複数ある状況を考えると「いつでも利用できる」のがチェーン店のメリットです。
(b)営業時間が長い
チェーン店は営業時間を長く設定している店舗がほとんどです。立地によって違いはありますが、病院や整骨院といった医療機関と比べても深夜帯の遅い時間まで営業しています。店舗によっては24時間営業もあります。仕事が終わってからマッサージを利用しようと考えた場合、深夜まで営業しているマッサージチェーン店の存在はありがたいものです。自分の都合に合わせて利用できるマッサージチェーン店の営業時間の長さは大きなメリットといえます。
(c)スタッフの数が多い
マッサージチェーン店は比較的規模の大きい店舗で、施術するベットの数も多く配置しています。同時にスタッフの人数も多い傾向にあります。マッサージチェーン店は同時に多くのお客さまに対応できる状態を用意し、急な予約や飛び込みのお客様でも待ち時間なく施術を開始できることが魅力となるでしょう。時間帯によってスタッフ人数が少ないこともありますが、個人で営業しているマッサージ屋と比べると利用しやすさを実感できます。
(d)わかりやすい料金体系
チェーンのマッサージ店は、どの店舗を利用しても、原則、施術メニューや料金がすべて同じです。同じ系列のチェーン店であればいつでも同じシステムで同じ料金でマッサージを受けることができます。メニューやスタッフによって料金が変わるマッサージ屋も多くあり、中にはマッサージが終わらないと料金がわからないシステムのお店もあります。マッサージがどのくらいの料金になるかわからない不安を考えると、はじめから料金がわかっているチェーン店の安心感は十分なメリットです。またチェーン店の多くはクレジット決済が可能です。手持ちの現金が少ないときもクレジットカードで利用できます。
期待は禁物？ プロが考えるマッサージチェーン店の弱点(デメリット)
マッサージチェーン店にはもちろんデメリットもあります。メリットは店舗、システム、などのハード面(外側)です。そして考えられるデメリットはスタッフの「質」の部分であるソフト面(内側)です。ここではマッサージチェーン店の抱えるデメリットについてプロの目線で解説します。
(a)スタッフの資格が必要ないため、知識や経験の有無がわからない
マッサージのチェーン店で働くスタッフに必要とされる資格はありません。病院や整骨院で勤務するスタッフは国家資格を有することが勤務条件です。医師、看護師、理学療法士、柔道整復師、鍼灸指圧あんまマッサージ師などの資格を持つひとは「有資格者」と呼ばれます。一方でマッサージのチェーン店で勤務するスタッフは一般的に「無資格者」と区別して表現されています。健康保険を使わないマッサージのチェーン店や整体は主に無資格者のスタッフで運営されています。資格が必要ないということは「誰でもできる」という意味でもあります。資格の有無をどのように感じるかはひとによって異なるとおもいますが、専門機関で身体についての知識、経験を身に付けたことを証明されている有資格者と比べると安全性や正確性の不足が否めません。
(b)担当スタッフを選べない
マッサージのチェーン店では施術を担当するスタッフを選べない傾向にあります。追加料金で支払うことでスタッフの指名が可能になる店舗もありますが、お店の運営を考えると「空いているスタッフが対応する」ことが効率的な稼働につながります。このため、マッサージのチェーン店ではスタッフによる「当たり外れ」が問題になります。同じ料金を払うなら「上手なスタッフにお願いしたい」「相性の良いスタッフを使命したい」という考えるのが当然です。自分に合わないスタッフのマッサージを受けることほど苦痛な時間はありません。マッサージのチェーン店を利用する際は指名が可能かどうか予め確認しましょう。初めてマッサージ店を利用する人は場合、指名が可能であれば予約の際に「ベテランのスタッフにお願いしたい」「施術は女性スタッフにお願いしたい」という希望を伝えておくと良いでしょう。
(c)スタッフの育成期間が短い
マッサージのチェーン店におけるスタッフの育成期間はあまり長くありません。これは運営母体の規模によっても異なりますが、数日から数週間、長くても数カ月です。またマッサージ経験者のスタッフであれば研修がないままお客様の施術を担当することもあります。施術の内容、方法などもチェーン店によって統一している店舗とバラバラの店舗とがあります。育成期間に何年もかける必要はないと思いますが、数週間の研修でマッサージの施術が身につくのかという疑念はぬぐえません。経験の浅いスタッフが担当することも承知でチェーン店を選ぶ必要があります。
(d)施術中の事故への対応
スタッフの育成期間が短いということはマッサージの安全性に関わります。マッサージで押すポイント、角度、強さなど相手の身体に応じて調節することが求められます。しかし短い育成期間ではどうしても経験が不足しがちです。不慣れなスタッフのマッサージ受けることで反対に身体を痛めてしまうこと可能性もあります。またマッサージを受けたことによるケガ(事故)への対応も万全とはいえません。病院や整骨院と違い、施術中の事故を補償する制度を明確にしているチェーン店はほとんどありません。万が一のときにどのような対応をしてもらえるのかは重要な判断基準と考えることが大切です。
(e)施術はマニュアル通り
チェーン店の多くはマニュアルが完備されており、型通り、順番通りに手を動かして時間内に施術を完了させることがルール化されています。マッサージのマニュアル化はマッサージを受けるひとによって良し悪しがあると思います。どのスタッフに当たっても同じマッサージを受けられる反面、つらい箇所を集中的にマッサージしてほしいというニーズには応えることができません。格安マッサージと呼ばれる60分3000円程度のマッサージでは60分の時間内で全身をマッサージするように設定されています。スタッフによっては「60分で上半身だけを集中してマッサージしてほしい」といった要望に応えてくれることもあるかもしれないですが、すべてのスタッフが希望通りにマッサージしてくれるとは限りません。全身のマッサージを受けたい人には良いですがつらい箇所を入念にマッサージしてほしいひとには不満を感じるかもしれません。
マッサージチェーン店の上手な活用方法
マッサージのチェーン店におけるメリット＆デメリットは目的に応じて使い分けることで上手な活用方法がみえてきます。ここではマッサージのチェーン店の上手な活用方法について解説します。
(a)癒しや疲労回復などリラクゼーション
マッサージを受ける目的のうち、癒し効果や疲労回復を目的とする場合はマッサージチェーン店の利用がオススメです。店舗数の多さ、立地の利便性、営業時間の長さでこれほど気軽に利用できるマッサージ店はありません。首の寝違えやぎっくり腰といった強い痛みをともなう症状の改善には不向きですが、心地よい強さで身体をほぐされることで深いリラックス効果が期待できます。
(b)コストパフォーマンスは最強
マッサージチェーン店の中でも６０分３０００円程度の格安マッサージ屋はコストパフォーマンスが高く、業界でも最安値の水準といえます。「質より量」を重視する考え方で、安い価格のマッサージであれば、その分多くの回数のマッサージを受けることができます。平均相場が６０分６０００円の業界であることを考えると半額です。マッサージ受ける上で金銭的な負担がネックと感じているひととって、格安マッサージのチェーン店の存在はありがたく感じるはずです。
(c)深夜帯の利用
マッサージチェーン店の強みは深夜営業です。仕事の都合で日中はマッサージを受ける時間がとれないひとは多くいます。仕事が終わる時間にはマッサージ店も営業を終了していることがほとんどです。マッサージを受けたくても受けれないと感じているひとにとって深夜帯に営業しているマッサージチェーン店は貴重な存在です。
マッサージのチェーン店が持つメリット＆デメリットについて解説しました。目的や使い分けを意識することで、マッサージチェーン店を上手に活用しましょう。
