マッサージ

足のトラブル事例! かかとの側面が痛い場合の対処法を解説!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
かかと 側面 痛い

かかとの側面が痛いと感じている場合、筋肉や骨に異常があって症状を引き起こしている可能性があります。しかし病院の検査では筋肉や骨に異常が見つからない、かかとに痛みを引き起こすような原因が見つからない場合でも、かかとに痛みを感じることがあります。今回は病院で異常がないと診断されたにも関わらず、かかとの痛みが引き起こされる原因について解説します。

かかとの側面に痛みを引き起こす病気とは

まずはかかとの側面に痛みを引き起こす病気を理解することが重要です。原因が明確であれば必要な処置が正しく判断できます。

(a)足底腱膜炎

足底腱膜炎は足の裏にある腱やその周辺が炎症を起こす病気です。人によって痛みを感じる箇所が足の裏だったり、かかとの周囲だったりと異なります。足底腱膜炎であるかの判断は痛みの箇所よりも痛みが発生した「経緯」で考えます。多くの場合では「歩行」「運動」などの要因が長時間継続した後に発症します。マラソンのように長時間走った後だけでなく、革靴など歩きにくい靴で外回りの営業をするという状況が連日継続したあとでも起こることがあります。足底腱膜炎は痛みで「足を着けない」ほどの状況になることも珍しくないのです。基本的には「安静」しか改善の方法がなく、炎症が治まるまで時間が必要になります。

(b)アキレス腱周囲炎

アキレス腱はかかとに付着する非常に弾力ある腱です。アキレス腱そのものに炎症が起こるものと、アキレス腱の周辺に炎症が引き起こされるものがあります。いずれにしてもアキレス腱に引き起こされた炎症の痛みがかかとに波及した状態です。かかとの痛みだけのアプローチしてもあまり意味がなく、アキレス腱の炎症を抑えるための処置が必要です。つまりアキレス腱にかかる負担を軽減するような「安静」「マッサージ施術」「テーピング」などが効果的です。足底腱膜炎と同様に「安静」を基本として、炎症が沈静化するまで時間が必要となります。

(c)神経痛

足底腱膜炎やアキレス腱周囲の炎症といった要因がなく、打撲や捻挫といった外傷性の要因もないケースでみられるかかとの痛みとして「神経痛」があります。特徴として「腰痛持ち」の人に多くみられる傾向があります。また炎症の痛みよりも激烈な痛みを感じることがあり、神経に触れるような鋭い痛みが出ます。かかとが「神経過敏」に状態となり、多くのケースで「肥満傾向」「かかとの重心が偏っている」など慢性的にかかとへの負担が蓄積されている状況が考えられます。かかとは筋肉や脂肪で保護されることがなく、地面からの衝撃がかかと(骨)に直接的にダメージを与えます。体重が重く、かかとに重心が偏った姿勢での歩行はかかとに慢性的なストレスがかかります。根本的な改善にはかかと(骨)への負担を減らすしか方法がありません。痛みの軽減策としてはクッション性のあるインソールの使用がオススメです。

かかとに痛みを引き起こす病気として有名な3つの原因について取り上げました。いずれも「かかとへの負担」「疲労の蓄積」が背景として考えられる病気です。つまり原因が明確なかかとの痛みです。適切な処置を実施することで改善が十分可能です。

病院で「異常なし」でもかかとが痛む原因とは

上記では「原因が明確なかかとの痛み」について解説しました。次に病院の検査では異常が見つからない、または明確な原因が見つからない「かかとの痛み」について解説します。

(a)足首のケガによる後遺症

足首の関節に捻挫や剥離骨折など大きな「ケガ」を経験している場合、歩き方や足の着き方に「乱れ」が生じることで、かかとに痛みを引き起こすことがあります。病院の検査などでは異常が見つからず、また上記の炎症や神経痛といった可能性も見当たらないケースです。また大きなケガでなくても捻挫を何度も繰り返している場合も同様に、足首の「乱れ」を引き起こします。かかとの痛みを引き起こすような直接的な要因がないとしても、間接的にかかとに痛みを引き起こすということを理解しましょう。

(b)歩き方の不具合

上述のとおり、ケガによって歩き方や足の着き方に「乱れ」が生じることでかかとに痛みを引き起こします。しかしケガといった要因がなくても歩き方や足の着き方に「乱れ」が起こることも決して珍しくありません。歩き方や足の着き方は無意識のうちに習慣化されていることがほとんどで、認識が難しい要因となります。歩き方や足の着き方に影響を与える要因としては「外反母趾」「偏平足」「ハイアーチ」「魚の目」「巻き爪」などが挙げられます。またこれらの要因が、すぐさまかかとの痛みを引き起こすとは限りません。長い時間をかけて少しずつ蓄積されたかかとへの負担が、ある日突然に痛みとなって表面化するのです。外反母趾や偏平足といった要因は「昔からあることだから関係ない」と認識されがちです。しかしかかとの痛みを引き起こす原因を考えた際、明確な原因が見つからない場合はこれらの要因を可能性として疑う必要があります。

(c)O脚・X脚

O脚・X脚は程度によって歩き方や足の着き方に大きな影響を与える要因となります。特に後天的(成長するにつれて、大人になってから)にO脚・X脚の傾向が強くなった場合、かかとに痛みを引き起こします。これは段階的に「悪化」していくことで引き起こされるかかとの痛みで、改善には長い時間が必要になります。あくまでも傾向としてですが先天的(生まれつき)である場合はかかとの痛みよりも膝や股関節に痛みを引き起こす印象です。つまり先天的か後天的かによって、かかとの痛みとの関連を判断していくことになります。病院ではかかとの痛みであれば「かかとを検査」します。かかとの骨に異常が見つからないので処置のしようがありません。しかし脚全体の診ることでかかとの痛みに関連する要因を見つけることができます。検査で「異常が見つからない」と判断されたとしても、あきらめる必要はありません。

痛みを感じている「かかと」だけで考えると「問題がない」と判断されがちですが、かかとに関連する要因を幅広い視点で見ることで改善につなげることができます。

かかとの痛みを訴えた患者の事例紹介

(a)概要

以前、一週間ほどかかとの痛みを感じる時期があり、放置して改善したものの同じような痛みが再び感じられるようになったとのことでした。原因に覚えがなく、病院での検査でも「問題なし」と診断が出されていたので様子を見ていたそうです。

(b)結果

アキレス腱、ふくらはぎの施術によりかかとの痛みは消失しました。しかし踵の痛みの原因とおもわれる足首の歪み、脚長差が残っているため、引き続き施術をおこなっている状況です。

かかと 側面 痛い
かかと 側面 痛い

(c)事例詳細

【患者データ】
・30代女性
・デスクワーク
【主な訴え】
・夜間にかかとの内側が痛む
・痛みがあるときと無いときの「違い」がわからない
・一定期間痛みが継続し、全く痛みがない期間もある
・痛みが出ると1週間から2週間程度継続する
【過去のケガ】
・足首の関節に剥離骨折
・反対側の下腿骨に不全骨折の疑いあり(打撲)
【分析】
・炎症や腫脹は確認できない
・再現痛なし(夜間以外は痛みなし)
・歩行などの動作に問題はみられない
・圧痛あり(患部に触れると痛む)
【着目ポイント】
・足首の変形
・ふくらはぎやアキレス腱の異常な硬化現象
・画像比較
【その他】
・よく転びそうになる
・階段を下るとき、足元に不安定感がある
【施術内容】
・ふくらはぎへのアプローチ
・アキレス腱のアプローチ
・足底筋へのアプローチ
・施術時間30分
【まとめ】
右足かかとの内側の痛みが主訴でしたが、今回はかかとより少し上のアキレス腱とふくらはぎの筋肉をメインにアプローチしました。また歩き方や足の着き方へのアプローチとして足の裏の筋肉、反対側の脚全体にも施術をおこないました

数回の施術でも変化がみられますが、同時に歩き方や足の着き方を患者自身が意識的に改善することが必要になります。今回のかかとの痛みの根本には「歩行」や「足の着き方」の継続的な「乱れ」があったのではないかと考えられます。また乱れを引き起こした大きな要因は「過去のケガ」である可能性があります。原因が見つからない場合、過去のケガや習慣化した行動の中から原因を探ってみることが大切となります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

キーワードを入れてください

記事に基づいた施術の相談