痛みをとるために

うつ伏せをやめれば腰痛改善? うつ伏せが腰に負担をかける理由

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うつ伏せ 腰痛

腰に負担をかけているつもりがなくても、腰痛の改善や、反対に悪化している場合、うつ伏せ姿勢が原因として考えられます。腰痛を抱えるひとの多くはうつ伏せ姿勢での生活習慣があったり、猫背を気にするあまり反り腰が強くなっているといった傾向があります。今回はうつ伏せ姿勢と腰痛の関連について解説します。

・うつ伏せ姿勢が腰痛を引き起こす理由
・腰に負担をかけない姿勢
・うつ伏せ姿勢の習慣を改善すると

本記事をオススメしたいひと

・うつ伏せ姿勢が腰痛の原因と感じている
・なんとか腰痛を改善したい
・腰に負担をかけない姿勢を知りたい

なぜ、うつ伏せ姿勢が腰に負担をかけてしまうのか

腰痛の人の腰の状態を観察すると多くのケースで反り腰(腰椎の前湾増強)がみられます。うつ伏せ姿勢は反り腰を悪化させる大きな要因として注意が必要です。

(a)反り腰の悪化

うつ伏せは腰椎が本来持つ湾曲を強めてしまう姿勢です。腰椎の湾曲が通常より強くなっている状態を「反り腰(前湾増強)」といいます。腰痛を抱えているひとの多くのケースで「反り腰」が確認できます。つまりうつ伏せが反り腰の悪化させることで腰痛も悪化するという構図です。反り腰の状態が必ずしも腰痛を引き起こすわけではありませんが、反り腰の改善が腰痛の改善につながることを考えると関連は深いといえます。

うつ伏せ 腰痛

(b)仰向け時に腰が浮いてしまう

うつ伏せの姿勢で腰椎の湾曲が強くなると、仰向け姿勢になったときに床と腰の間に大きな「隙間」ができます。これは腰が宙に浮いている状態で、腰の筋肉に過剰な緊張を作り出す原因になります。うつ伏せの姿勢が反り腰を悪化させ、さらに仰向け姿勢での腰の筋肉の緊張につながるという悪循環に陥ります。睡眠時の仰向け姿勢で腰が辛いと感じる場合は、うつ伏せ委の習慣を改めることが腰痛改善につながります。

「うつ伏せ」は治らない腰痛に潜むNG習慣

うつ伏せ姿勢が習慣化している場合、長期間にわたり腰痛が改善しない状況に陥ります。ここではうつ伏せ姿勢が習慣化しているケースの特徴について解説します。

(a)うつ伏せ姿勢で痛む場合

うつ伏せ姿勢の状態で腰が痛む場合、うつ伏せが腰痛の原因であることは明白です。しかしうつ伏せ姿勢では痛みがなく、起き上がったり体勢を変えたりしたタイミングで腰に痛みを感じる場合も同様にうつ伏せが原因である可能性が高いといえます。うつ伏せ姿勢で腰に痛みがないことを理由に、うつ伏せ姿勢と腰痛が無関係であると考えがちですが、それは間違いです。うつ伏せ姿勢での習慣を持つ腰痛患者の多くが意外にも、うつ伏せ姿勢を問題視していない現状があります。うつ伏せ姿勢で腰に痛みが感じられないとしても関連を考慮すべき要因といえます。

(b)うつ伏せ姿勢で痛くない場合

うつ伏せ姿勢で腰に痛みがなく、体勢を変えても痛みがでないケースがあります。これは上述のように「反り腰」が腰痛の原因になっていることが考えられます。仰向け姿勢での睡眠や立ち姿勢での腰痛がメインとなるためにうつ伏せ姿勢との関連が連想しにくいかもしれません。しかしうつ伏せ姿勢が反り腰を悪化させることを考えると、うつ伏せ姿勢での腰の痛みが感じられないとしても関連を疑う必要があります。

うつ伏せ姿勢で腰に負担をかけないポジション

喘息を患っている場合などにうつ伏せ姿勢での睡眠が、楽に感じるケースがあります。また習慣化したうつ伏せ姿勢の改善が難しい場合、やむを得ずうつ伏せ姿勢をとらざるを得ない状況も考えられます。ここではうつ伏せ姿勢でも腰への負担を軽減するポジションについて解説します。

(a)お腹の下にクッションを挟む

うつ伏せ姿勢の際にお腹のしたにクッションを入れることで反り腰を軽減することができます。骨盤とあばら骨の間に収まるサイズ感で、硬いものよりは柔らかい素材のものが快適です。反り腰は腰椎が前方(床に向かって)に沈み込むことが問題になりますが、クッションを挟むことで腰椎を「支える」役割を果たしてくれます。

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(b)お腹を引っ込める

うつ伏せで反り腰が増強されていまう状況は「ポッコリお腹」の状態と似ています。お腹側に重みがあると腰椎は前方に引っ張られる構図になり反り腰を悪化させます。そこでお腹を引っ込める意識を持つことがうつ伏せによる反り腰を軽減させることができます。筋力としての腹筋の有無は関係ありません。単純にお腹を背中にくっつけるイメージで引っ込めます。または仰向けの姿勢でお腹を上から下方向に押し込むようなイメージです。うつ伏せの姿勢をとるときはもちろん、これは日頃から意識することで反り腰により腰痛を改善する効果が期待できます。

(c)多少の「猫背」は気にしない

猫背を気にするひとは多いですが、猫背を意識して背中を伸ばすと腰椎は「反り腰」になりがちです。背筋を伸ばすのと同時に、上述した「お腹を引っ込める」という意識が必要です。猫背を気にするあまりに反り腰が悪化してしまうようではいけません。背筋を伸ばしながらお腹を引っ込める、または多少の猫背は気にせずに反り腰を軽減するためにお腹を引っ込める意識を強く持つことが腰痛の改善につながります。

うつ伏せ姿勢の習慣を改善できた腰痛患者

うつ伏せ姿勢が腰痛を悪化させる要因であることを説明しても、実際にうつ伏せの習慣を改めることができるのは一部です。特に睡眠時のうつ伏せは長年にわたり習慣化されているので改善が難しいケースが多い印象です。しかしうつ伏せの習慣を改善できたケースでは腰痛が改善していくスピードや改善の度合いに大きな「差」がみられます。もしあなたにうつ伏せの習慣がある場合、その習慣を改めることは腰痛の改善に大きな影響を与える可能性を秘めているといえます。 臨床の現場では、うつ伏せ姿勢の習慣が腰痛に大きな影響を与えていると感じることが珍しいことではありません。反対に、うつ伏せ姿勢の習慣を改めることができれば腰痛の改善も容易であると感じます。腰痛が改善しない、または悪化していると感じる場合はあなたの生活習慣の中に「うつ伏せ」がないかを確認することをオススメします。

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