よくある痛み

ぎっくり腰の再発は決して珍しいことではありません。なぜなら、ぎっくり腰を引き起こした要因や対策が万全でないからです。反対に、ぎっくり腰の種類の応じた対策が万全であれば再発を防ぐことは十分可能です。今回はぎっくり腰の再発を防ぐために必要な情報について解説します。

ぎっくり腰は大きく3つの種類に分類できる

筆者はぎっくり腰の種類を大きく3つに分類して施術をおこなっています。この分類を正確に見極めることは施術の結果に大きな影響を与え、再発を予防する対策を考える上でも重要な要因です。

(a)筋肉、骨の痛み

筋肉や骨の痛みを引き起こすぎっくり腰は「重いものを持ち上げた」「無理な姿勢をとった」など明確な原因が存在します。また「くしゃみ」「ゴルフでスウィングした」といった瞬発的な動きでも筋肉や骨に痛みを引き起こすぎっくり腰となります。このタイプのぎっくり腰は激痛であることが多く、日常生活に大きな影響を与えることになります。一方で「単純な筋肉や骨の痛み」と考えることもできるぎっくり腰で、適切な処置(マッサージ、安静)を実施することができれば比較的短期間で改善が期待できます。ぎっくり腰治療の現場で最も多く診るぎっくり腰のタイプとなります。 筋肉や骨の痛みを引き起こすぎっくり腰の特徴 ・明確な原因が存在している ・普段は腰痛を感じることがほとんどない ・痛みが強く、痛む場所がハッキリしている

(b)筋肉の支持力低下

筋肉の支持力が低下したぎっくり腰は、いわゆる「腰が抜けた」状態を指します。慢性腰痛を数年から十数年という単位で患っている人の多くみられるぎっくり腰のタイプです。普段から腰痛を感じているものの、改善のためのアプローチを行わず、長期間放置された腰痛が根本的な原因と考えられます。また極度の緊張状態を過ごした後や、無理な姿勢を長時間強いられた後に引き起こされることもあります。腰の筋肉の支持力が低下すると、痛みよりも「腰に力が入らない」という症状が強く感じられます。起き上がりや立ち上がりなど腰を曲げる姿勢全般で不安定感があり、自力で動くことが困難になります。腰の筋肉の支持力低下は長い時間をかけて作られた要因なので、改善にも時間がかかります。しかし、決して完治が難しいということではありません。マッサージや整体による筋肉へのアプローチのほか、運動療法なども組み合わせながら筋肉の支持力を回復させていく方法が効果的です。 筋肉の支持力低下で引き起こされるぎっくり腰の特徴 ・10代の頃から腰痛を患っている(慢性腰痛) ・腰が痛いと感じることがあっても放置している ・痛みよりも「不安定感」が強い ・自力で動くことが困難

(c)上記2つの混合型

最も重症で、最も回復が難しいのが上記2つの混合型です。長年にわたり腰痛を患い、放置した状態で「重い物を持ち上げた」「無理な姿勢をとった」といった要因が重なって引き起こされるのが「混合型」です。筋肉の支持力が低下している上に、ちょっとした動作でも激痛が出てしまうため、マッサージや整体といった物理的な刺激でも強い痛みが伴います。改善の方法が存在しないわけではありませんが、誤った方法でアプローチしてしまうと、痛みが悪化してしまう可能性が高いという点において慎重な処置が必要になります。改善までに数週間を要することもある上に、再発のリスクも高いタイプのぎっくり腰です。また「腰が抜けている」状態が根本に存在しているため、このタイプのぎっくり腰は「根治」が難しく、腰の状態が悪化しないように「上手に付き合っていく」ことが現実的な目標となります。 混合型ぎっくり腰の特徴 ・普段から腰痛を自覚している ・激痛と不安定感で日常生活が困難 ・完全に痛みが消えることがない

ぎっくり腰の種類から考える再発予防策

上述のように3つのぎっくり腰の種類にはそれぞれ特徴があります。この特徴をもとに再発予防策を講じることができます。

(a)筋肉、骨の痛みの場合

ぎっくり腰を引き起こした要因が明確なので、その要因を排除することが再発予防策となります。重い物を持ち上げるときは中腰の姿勢をせず、腰を低い位置まで落とし重量物を自身の身体にできるだけ引き付けて立ち上がります。また運動などで瞬発的な動きをするときは事前に予備運動をおこない、身体を慣れさせることが大切です。これらに共通しているのは「不慣れな行動」です。日頃から習慣的に行っている動作よりも、日常的に行わないような「引っ越し」「急な運動」が危険な要因です。不慣れな行動をとるときこそ、油断せずに腰に負担のかからない身のこなしが再発予防策となります。

(b)筋肉の支持力低下の場合

筋肉の支持力低下によるぎっくり腰は、慢性的な腰痛の「放置」が根本にあります。腰痛を放置しているということは常に腰に負担がかかっていると考えることができます。筋肉の支持力低下は時間をかけて段階的に進行します。つまり腰痛を放置することなく、腰への負担を少しでも軽くしておくことが再発予防策となります。また腰が抜けるタイプのぎっくり腰は「コルセット着用」でも予防が可能です。コルセットを常用することはオススメしませんが、腰に負担をかける作業をする際や、不安定感を感じる際は再発予防策として事前にコルセットを装着することも検討しましょう。

(c)上記2つの混合型の場合

混合型のぎっくり腰は再発予防が困難です。その理由は、明確な要因がなくともぎっくり腰を引き起こす可能性がある上に、根本的な状態が悪いことにあります。「筋肉や骨の痛み」「筋肉の支持力低下」への再発予防策を講じるとともに、運動による筋力強化や、運動療法で腰に安定感をもたらす体幹のバランスを整えることが必要です。どのような再発予防策であっても、その予防効果が現れるまでにも時間を要する厄介なぎっくり腰のタイプです。即効性のある再発予防策がありませんが、時間をかけて腰の状態整えることやぎっくり腰を誘発する要因のできるだけ回避しながら予防を心がけることが重要です。

ぎっくり腰の再発を繰り返す人の特徴

どの種類のぎっくり腰であっても、再発を繰り返すひとには共通点があります。もしあなたがこの共通点に当てはまるようなら、再発の可能性があると考える必要があります。

(a)腰痛を放置している

多少の腰痛であれば放置してしまう人がほとんどです。しかし長い目でみればぎっくり腰を引き起こすリスクを高めてしまうことにつながります。ぎっくり腰の再発という経験を経て対策を始めても、長年の放置によって蓄積した腰への負担をすぐにリセットできるわけではありません。筆者は多くのぎっくり腰事例を診ていますが、厳しい言い方をすると「ツケが回ってきた」と言わざるを得ないぎっくり腰がほとんどです。腰痛を放置せず、日頃からケアしておくことは将来のぎっくり腰の再発のリスク軽減につながる有益な対策といえます。

(b)運動不足

ぎっくり腰を経験したひとの多くは自身が「運動不足」であることを認識しています。また運動する習慣がないにも関わらず、不慣れな運動をしてしまったことがぎっくり腰の再発を招いたことも理解しています。このような経験をしてもなお、運動する習慣を身につけることを怠ってしまい再発を繰り返します。日常生活は「同じ動きの繰り返し」です。そしてぎっくり腰の再発を誘発するのは「不慣れな行動」です。つまり、同じ動きの繰り返しというパターン化された日常の中に運動という習慣を取り入れることで「不慣れな行動」を極力減らしていく努力が再発防止につながるのです。また運動を習慣として取り入れているひと、そうでない人がそれぞれぎっくり腰になったとしても、運動の習慣のある人の方が改善までの時間が早いことも注目すべきポイントです。

(c)肥満傾向

体重が問題視される身体の痛みとして「膝」が広く知られていますが、腰も同じことがいえます。特にお腹周りの比重が重い体形は常に腰に負担をかけながら生活していることになります。標準体型の人と肥満傾向のある人が、腰を曲げるという同じ動きをしてもかかる負担は全く異なります。またお腹周りの比重が重いと、身体の重心点が前方方向に引っ張りだされてしまいます。これは腰椎の前湾を増強(反り腰)を悪化させてしまうと同時に腰の筋肉の支持力を低下させる要因です。肥満傾向であることはぎっくり腰の再発を繰り返す要因となる上に、すぐに体重を減らすことが難しいという問題もあります。肥満傾向はぎっくり腰を引き起こす要因であると同時に、改善を難しくしてしまう要因とものなり得ることを理解しましょう。

ぎっくり腰の再発を防ぐことは十分可能です。しかしぎっくり腰の種類に応じた対策でなければ再発予防策にはなり得ません。ぎっくり腰の再発予防は、種類の特定から始めなければいけません。あなたがぎっくり腰の再発で悩んでいる場合、まずはぎっくり腰がどのような状況で引き起こされたのかという「種類」の分析から見直してみることをオススメします。

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