よくある痛み

なぜ腰が痛くなる? ランニングで腰痛になる原因5つを徹底解説

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ランニング 腰痛

普段は腰痛がない人でも「ランニングをすると腰が痛くなる」といった経験をしているケースがあります。また「ランニングの途中から腰が痛くなる」ことで「完走できない」最後までペースを維持できない」全力を出し切れない」と感じているかもしれません。今回はランニング時に腰痛を引き起こす原因と、改善に役立つ見直しポイントについて解説します。

【この記事を読むまえに】

この記事はランニングの観点というよりも、身体・健康の観点から分析、解説したものです。ランニングにおける「正しい」方法や考え方はあまり考慮していません。本記事は「ランニング時の腰痛を改善したい」「ランニングをするとなぜ腰が痛くなるのか」といった腰痛の改善を目的に、身体の問題点について記載しています。

▲参考記事
あなたの腰痛は「筋肉」が原因かも!? 腰痛改善のプロが解説!

 

ランニングの「長時間」同じ動作の繰り返し」が腰痛を引き起こす

ランニングという運動を分析して考えると「長時間」「同じ動作の繰り返し」が腰痛を引き起こしているといえます。

(a)長時間の運動

ランニングに限らず、どのような運動であっても「長時間」継続されることで身体には負担が蓄積します。ランニングでは「数キロ~数十キロ」「数十分~数時間」という比較的長い時間、運動が継続されます。この要因だけでも腰痛を誘発する可能性は十分ありますが、次項で解説する5つの要因が合わさると、さらに腰痛を引き起こす可能性が高まります。

(b)同じ動作の繰り返し

ランニングでは同じ動作の繰り返しが長時間にわたり継続されます。同じ動作であるがゆえに、フォームやリズムが身体にとって負担とならないことが重要になります。誤ったランニングフォームや腰に負担のかかる姿勢、リズムを繰り返していると腰痛を誘発してしまうことになります。同じ動作の繰り返しは単調なようでも、意外に負担を蓄積してしまうのです。

(c)ランニングを腰痛の相性

ランニングは本来、腰の曲げ伸ばしがない安全な運動といえます。また瞬発的な動作もほとんどなく、腰を痛める可能性は低いように思われがちです。しかし「脚を使って走る」という動作において、腰は下半身の影響を強く受けることになります。下記で解説する5つの見直しポイントのうち4つが下半身に関する内容です。つまり下半身の状態やフォームが万全であることが前提となって「ランニングは腰にとって負担になりにくい」と考えることができます。反対に、5つの見直しポイントに当てはまる場合はランニングが腰痛を悪化させてしまうこともあるので注意が必要となります。

ランニング時の腰痛を解消する5つの見直しポイント

ここで解説する内容は、ランニング時の腰痛を改善できた実際の事例においてアプローチした5つのポイントになります。

(a)背中の歪み

ランニング時と日常で腰痛を引き起こしていた要因として「背中の歪み」があります。患者自身は背中の歪みを自覚していませんでした。しかし触診で身体の状態を確認すると明らかな背中の歪みが確認できました。また太ももの筋肉であるハムストリングスにも緊張(硬さ)の左右差があり、身体全体の「姿勢」に歪みがありました。施術にて背中の筋肉にアプローチすることで腰痛は小康状態となっています。施術と並行して歩幅やリズムの確認をアドバイスすることで現在は問題なくランニングができる状態を維持しています。

ランニング 腰痛

(b)骨盤の歪み

骨盤の歪みは、ある程度のレベルまでは問題とななりません。しかし左右の骨盤の高さが3㎝を超える歪みは日常生活や運動でも腰痛を誘発する要因となります。骨盤の歪みを引き起こす原因の多くは「筋肉の硬さ」であるため、施術により歪みの左右差を「1センチ以下」まで軽減させることで腰痛を解消させることができます。問題は、この1センチ以下の左右差を「維持できるかどうか」となります。生活や仕事で骨盤が歪み要因(脚を組む、横向きで寝るなど)の存在により再び歪んでしまうと腰痛につながってしまいます。

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(c)股関節の可動域

股関節の可動域でポイントとなるのは「可動域の左右差」です。普段はほとんど自覚されないポイントですが、股関節の可動域に左右差が存在するとランニング時の「歩幅」「リズム」が乱れてしまいます。つまり「フォームの乱れ」を引き起こす原因となるのが股関節の可動域です。自身で股関節を動かし、関節の可動域に「左右差」が無いかを確認しましょう。よくあるのは「あぐら姿勢で股関節が開かない」「どちらか片方の股関節だけ動かすと音が鳴る」などです。股関節そのものに痛みがないとしても、ランニングにおいては股関節の可動域が大きな問題となることを理解しましょう。

(d)O脚X脚

O脚やX脚の場合、膝を悪くしてしまうイメージが強いと思います。しかしO脚やX脚によって下半身全体の筋肉に疲労が蓄積し、筋肉が硬くなってしまうことで腰痛を誘発することがあります。O脚X脚そのものではなく、O脚X脚による影響が間接的に腰痛を引き起こすという考え方になります。逆説的ですが、腰痛の治療ではお尻や太ももの筋肉へのアプローチによって大きな改善がみられます。つまりお尻や太ももの筋肉の状態が悪いことが、腰痛の原因となるのです。O脚X脚へのアプローチにより下半身の筋肉にかかる負担を軽減させることが腰痛の改善、予防につながるという点において重要なポイントです。

(e)魚の目、マメ、靴擦れ

足部の問題として重要なのが「魚の目、マメ、靴擦れ」の有無です。これらは地面に足が接着する際の「癖」を表しており、フォームやリズムの乱れを分析するうえで有効な”目印”となります。問題となるのは「片足」にのみできる魚の目、マメ、靴擦れです。両足に、かつフルマラソンなどの後などにできる場合は問題ありません。しかし日常生活でどちらか片方にだけマメができてしまう場合は明かな「癖」が存在していると考える必要があります。これは自身で癖を分析し、修正するしか改善の方法がありません。しかしランニングでの腰痛を改善したいと考える場合は、十分に取り組む価値のあるポイントです。

5つのポイントを挙げましたが、これらは人によって単体で腰痛を引き起こす場合と複数の要因が合わさって腰痛を引き起こす場合があります。実際の施術では影響が大きいと考えられるポイントから順にアプローチしていきますが、すぐに正解を見つけられることもあれば時間を要することもあります。背中の歪み、骨盤の歪み、股関節の歪みによる腰痛は施術によるアプローチで改善が可能です。反対にO脚X脚、足部の問題による腰痛は自身で「意識的に」フォームや足の着き方を修正することが必要になるため、時間を要することが多い傾向にあります。

腰痛を予防するランニング時のポイント

ランニングで腰が痛む、歩いていて腰痛が気になるケースでは「足の動き」が重要です。ここでは腰痛を予防する目的で「走る」「歩く」際に意識すべきポイントについて解説します。

(a)歩幅

「走る」「歩く」などの脚の動きには両足の「歩幅が同じ」であることが重要です。歩幅がバラバラだったり、左右の脚で歩幅に差(例えば右脚の歩幅が広く、左脚の歩幅が狭いなど)があると身体には「余計な負担」がかかります。長距離、長時間のランニングを目指す上では歩幅が同じであることはとても大切です。

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(b)リズム

歩幅と同様に、脚を動かす「リズム」は負担を軽減する上で重要な要素となります。身体にとって自然なリズムで、体幹や腕の振りと連動して「流れ」を意識したリズムです。上記の「歩幅」に問題があると「リズム」も乱れがちとなります。「歩幅」と「リズム」が一定であることが腰に負担をかけない理想の形です。

(c)腕の振り

「腕の振り」は下半身と連動して上半身の推進力となる要素です。左右の腕が「均等」に動くことが理想です。もし腕の振り幅が左右で異なる場合、背中の筋肉や肩甲骨の動きが「均等ではない」可能性が考えられます。または下半身に歩幅やリズムの乱れが存在しているかもしれません。腕の疲労感が左右同じでない場合は原因について考えることが大切です。

今回はランニング時に腰痛を引き起こす原因について解説しました。いずれも実際の事例として取り扱った内容です。ランニングにおける「正解」の考え方とは別に、身体の問題から解決する視点としてぜひ参考にしてください。

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