よくある痛み

柔整師が解説! 原因不明の腰痛と足のしびれを改善する行動指針

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腰痛 足 しびれ

腰痛と足のしびれはセットで現れることの多い症状ですが、原因が同じまたは1つとは限りません。複数の要因によって引き起こされる腰痛と足のしびれについて正しい分析方法について解説します。

腰痛 足 しびれ

(a)内部要因

腰痛と足のしびれを引き起こすものとして考えられる内部要因は「骨」「神経」「血管といった身体内側の要因です。内部要因は外見上では判断ができず、必ずレントゲンやMRIとった検査が必要です。代表的内部要因としてはヘルニア、椎間板症、腰椎分離症、腰椎すべり症があります。

(b)外部要因

腰痛と足のしびれを引き起こす外部要因は「筋肉」「姿勢」「骨格」になります。外部要因は内部要因とは反対に検査では判断ができない要因で、判断する医療従事者の側の知識や経験によって判断されることが一般的です。これは「筋肉の硬さ」「姿勢が悪い」「骨格の歪み」といった視点での判断が必要です。自分自身では判断できない要因であり「自分以外の誰か」に評価を受けることが重要です。

(c)複合要因

内部要因と外部要因の両方が関係している場合は複合要因としての判断が必要です。検査ではヘルニアの疑いがあり、強い骨格の歪みが認められるケースであれば、可能性として内部要因と外部要因の両方にアプローチを行います。お尻や脚にしびれを引き起こすことで有名な「坐骨神経痛」が代表例です。坐骨神経痛は骨である「腰椎」に問題あるケースと、筋肉である「お尻」に問題があるケースがあります。坐骨神経痛は神経的なしびれや痛みと、筋肉的な張り感や緊張の区別がつきにくく、判断が難しい症状です。

検査でしか判断できない要因を「除外」する

腰痛と足のしびれの改善を目指す場合、医療従事者の経験によって判断される外部要因は身体の「個体差」が強く影響することから、改善までに時間を要することも珍しくありません。まずは検査でしか判断ができない「内部要因」を最初に調べ、内部要因の可能性を除外することが重要です。

(a)原因の特定が治療方針につながる

内部要因、外部要因、複合要因のうち、どの要因の可能性が高く、低いのかについて検討をしないままに治療方針を決めてしまうのは得策とはいえません。改善のための治療方法には非常に多くの選択肢があります。内部要因を判断する検査では画像診断によって一定の判断基準が設けられており、ある程度までは可能性を「絞り込む」ことができます。内部要因による腰痛と足のしびれは、病院などの専門機関でしか治療を受けることができません。つまり内部要因に問題がないことさえ確認できてしまえば、治療方針として「病院以外の選択肢」という方向性が定まります。

(b)対症療法ではなく根本へのアプローチ

病院での検査には2つの側面が考えられます。腰痛と足のしびれを引き起こす要因が検査で判明すれば、適切なアプローチが可能です。しかし、検査で異常が見つからない場合は「正しい治療法」を判断することが難しく、痛み止めや湿布といった対症療法に終始することになります。対症療法は「問題の先送り」であり、根本的なアプローチとはいえません。また腰の「痛み」や足の「しびれ」という「感覚」のみを薬でコントロールしてしまうと、骨や筋肉、神経といった実際の身体の状態が悪化してしまうことも考えられます。対症療法が悪いのではなく、検査によって問題を明らかにし、常に根本へのアプローチを探ることが重要です。

(c)効果判定の目安

検査によって要因が絞られたとしても、行ったアプローチに対する効果を慎重に判断する必要があります。検査は「可能性を絞る」ことであり、治療となるアプローチは「検証」の役割があります。可能性を絞ったからといっても、選択した治療アプローチが必ずしも正しいとは限りません。どのような治療アプローチを選択したとしても、本当に効果があるかどうかについて見極めることが必要です。治療アプローチによって異なりますが「数週間」「3カ月」など期間を区切って経過をみましょう。思うような効果が得られない場合は再度、要因の見直しと治療アプローチの検討をおこなうべきだといえます。

原因によって変わるアプローチ方法

要因によっては専門家の指示で判断すべきアプローチ方法ですが、ときにはあなた自身が判断してアプローチを選択する必要があります。ここでは領域別にアプローチ方法を解説します。

おこなうすべき アプローチがこと明確になる

(a)西洋医学領域

医師の判断でおこなわれるアプローチは一般的に西洋医学という領域を意味します。西洋医学領域のアプローチで改善が期待できるのは、主に骨や神経といった内部要因です。物理的な構造の異常や障害を手術によって解消するもので、根本的なアプローチです。一方、筋肉や骨格の歪みなどに起因する腰痛や足のしびれは検査で異常が見つからないため、手術の適応にはならず、投薬や湿布などの対症療法が選択されます。

(b)東洋医学領域

マッサージや鍼灸、指圧、経絡など主に整骨院や整体院で行われる施術は、一般的に東洋医学領域と表現されます。東洋医学領域では筋肉の硬さや骨格の歪みといった検査では判断が難しい外部要因へのアプローチを得意としています。事前の検査で内部要因に問題がないことを確認していることが前提です。施術者の経験やスキルに影響を受けるのでお店や施術者の選択は慎重に判断しましょう。

(c)セルフケア領域

腰痛と足のしびれを引き起こす要因が、筋肉の硬さや骨格の歪みといった外部要因にある場合、セルフケアでも改善が期待できる場合があります。適度な運動を習慣化することや身体に歪みを引き起こす生活習慣(足を組む、横向きで寝るなど)を改めるなどが重要です。反対に筋肉の硬さや骨格の歪みを誘発する習慣の改善をしないままでは、マッサージや整体を受けても症状が改善されないこともあります。腰痛と足のしびれを引き起こす「要因」と、改善のための「アプローチ」は同時進行でなければおもうような効果は発揮されないということを理解しましょう。

腰痛と足のしびれを引き起こす要因を病院の検査で絞り込み、可能性の高い改善アプローチを選択し、期間を定めて効果を判定する、この一連の流れが大切です。自己判断や闇雲なアプローチは非常に効率が悪く、いつまでたっても「治らない」という状況を生んでしまいます。まずは検査を受けることから始めてみましょう。

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