よくある痛み

軽いぎっくり腰なら病院いらず?! 簡単にできる腰痛セルフケア

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軽い ぎっくり腰 治し方

重い物を持ち上げた際に「ピキッ」と腰に痛みが走り、その後は激痛で身動きが取れない状況であれば「ぎっくり腰」です。みなさんこんにちは。笹塚トレース整骨院の石垣です。「ピキッ」と痛みは感じたものの、その後の痛みはそれほど強くない、痛みで動けないわけでもない状態だと「軽いぎっくり腰かも」とあまり深刻に考えず様子をみる人も多いはず。そこで今回は軽いぎっくり腰のときに改善が期待できる腰痛の治し方について解説します。

(a)痛みはあるけどそれほど痛くない

臨床では「痛みはあるけどそれほど痛くない」状態を「軽いぎっくり腰」と判断しています。「軽い」といっても腰痛、ぎっくり腰なので放置は厳禁です。表現を変えると「痛いけど困らない」程度の痛みです。

(b)日常生活に支障がない

重度のぎっくり腰の場合は日常でも痛みがあり、思うような動きができないことで不便が生じます。軽いぎっくり腰の場合、日常生活はほとんど制限なく送れます。痛みを感じることがあっても仕事や家事をいつも通りこなし、たまに痛みを感じることがあってもあまり気に留めません。

(c)不安な感じがある

軽いぎっくり腰では痛みがそれほど強くない反面、本格的なぎっくり腰を引き起こしそうな「不安感」が出ます。これは人によって不安感を感じる場合とそうでない場合がありますが、ある種の直感で危険を察知するようなイメージです。

(d)痛みの場所が明確でない

本格的なぎっくり腰では痛みを感じる場所が明確です。ピンポイントで特定の筋肉に痛みがあり本人も自覚できています。しかし軽いぎっくり腰では本人もどこが痛いのかよくわかっていないことがあります。いわゆる「この辺が」痛いという表現で、それくらい痛みが弱い腰痛では「軽いぎっくり腰」と判断します。

(e)痛みが変化しない

重症のぎっくり腰の場合、最初に激痛になり時間経過とともに痛みが軽減していくケースと、最初の痛みが徐々に悪化して激痛に至るケースがあります。このように重症のぎっくり腰であれば痛みが変化していくことが多いのに対して、軽いぎっくり腰では痛みの変化が少ない傾向がみられます。最初に腰に痛みを感じても、その痛みが良くも悪くも大きく変化しないような場合には「軽いぎっくり腰」と判断します。しかし悪化する可能性も十分に考えられるため慎重に経過をみる必要があります。

軽いぎっくり腰を自分でケアする5つの方法

気になる腰痛が「軽いぎっくり腰」であると判断できる場合でも、本来は病院などの医療機関を受診することが理想です。時間や仕事の都合で病院にいけない場合に活用できる腰痛の治し方を紹介します。

(a)安静にする

軽いぎっくり腰の場合、痛みや違和感の出る特定の「動き」や「姿勢」があります。安静にするということは痛みや違和感の出る動きや動作を「避ける」という意味になります。つまり腰に負担のかからない状態で過ごすことです。仕事や家事を休む、腰が楽な姿勢で過ごすなどの時間を確保して、腰を安静に保つことが腰痛の改善に繋がります。

(b)固定をする

腰をサポートするコルセットを装着したり、テーピング等で腰を固定したりします。固定は動きや姿勢によって腰に生じる痛みや違和感を和らげてくれます。仕事や家事など腰に負担のかかることをどうしても止めることができないときに腰を固定しておくと、腰への負担を軽減させることができ、動きながらも腰の安静を確保することができます。コルセットまたは腰痛ベルトなどの装着を検討しましょう。

(c)痛み止めを飲む

仕事や家事でどうしても痛みの出る動きをしなければいけない場合、痛み止めの服用が効果的です。しかし、痛みの出る動きを繰り返していると徐々に痛みが悪化することがあります。また痛みがあると無意識に痛みをかばう姿勢を取るようになり、腰以外の痛みやケガにつながるリスクもあります。痛み止めを効果的に活用して痛みを最小限に留めましょう。

(d)身体を温める

温熱は痛みを和らげる効果的な方法です。特に軽いぎっくり腰であれば安静にして患部をしっかりと温めてあげることで筋肉がほぐれ、改善が期待できます。ただし温熱の実施は「腰を動かすと痛む」ときだけ有効です。つまり動かさなくても痛むという痛みが継続しているときは温熱を実施することで痛みが悪化する可能性があります。「椅子から立ち上がるときに痛む」「ベットから起き上がるときに痛む」といった一時的な痛みに温熱は効果的です。反対に「座っているとずっと痛みを感じる」「ジンジンと脈を打つように痛む」ような場合はNGです。温熱を実施する際は使い捨てカイロを活用しましょう。お風呂の湯船もオススメです。

(e)運動体操をする

軽いぎっくり腰の場合であっても激しい運動は厳禁です。しかし腰痛治療の現場では痛みの改善を目的とした運動を実施することがあります。専門性が必要な運動ですが簡単にできる内容を紹介します。

【step1 痛くない動きを繰り返す】 例えば腰を後ろに反ると腰が痛むとします。この場合は腰を後ろに反る動き「以外」の動きを繰り返し行います。腰を前に倒してみたり左右に捻ってみたりと「痛くない」動きを複数実施することが大切です。この運動によって筋肉に柔軟性が生まれ、痛みの改善につながります。動きのスピードはゆっくりと、勢いをつけて動かしてはいけません。ストレッチのようなイメージでゆっくりと筋肉を身体に馴染ませるように動かします。

【step2 痛みの出る動きの手前まで動かす】 例えば腰を前に倒す(おじぎの姿勢をする)と腰が痛むとします。腰の角度が約30度になると痛みを感じ始める、約60度になるとハッキリと明確に痛みを感じる、そして約90度になると激痛になるとします。このケースでは痛みを感じ始める約30度の角度まで腰を前に倒すという動作を繰り返します。どの角度で痛いが出るのかをしっかりと確認し動作はゆっくりと、特に痛みを感じ始める角度の直前はスローな動きを意識します。ジワジワと感じる痛みを確認し、痛みを感じた角度の手前で戻すことが重要です。痛みが強い場合や動きに不安を感じる場合はstep1のみ実施しましょう。

軽いぎっくり腰でもNG! 注意が必要な動き5つ

軽いぎっくり腰を放置した結果、重度のぎっくり腰を引き起こしてしまうケースが多きみられます。ここでは軽いぎっくり腰が「重度のぎっくり腰」の引き金となる原因について解説します。軽いぎっくり腰であっても予防の観点を忘れてはいけません。

(a)運動

軽いぎっくり腰でも運動は控えた方がよいでしょう。「軽めの運動なら大丈夫」とおもって運動した結果、重度のぎっくり腰を引き起こすケースがあります。特にジムで運動することが習慣化している人はジムで身体を動かせないことがストレスに感じてしまうようです。このようなケースでは「腰に負担のかからないトレーニングに限定すれば大丈夫」と安易に考えがちです。どんなトレーニングであっても体幹を使います。重量物を手に持つだけでも腰に負担はかかります。トレーニングはもちろん、普段以上に腰の安静を意識することが必要です。また週末に運動する予定(マラソン大会やイベント)のある人は予定をキャンセルしたくないという思いから、軽いぎっくり腰でも強行参加される人がいます。やはり「無理しない程度に参加すれば大丈夫だろう」と考えがちです。「無理しない程度」に参加するというコントロールは非常に難しいことです。気持ちの高ぶりも手伝って、無意識に無理してしまうことがほとんどです。軽いぎっくり腰が重度のぎっくり腰になってしまうリスクを考えて慎重に判断することが大切です。

(b)肉体労働

仕事や家事でやむを得ない状況による、「軽いぎっくり腰+肉体労働=重度のぎっくり腰」の流れはぎっくり腰を引き起こす典型例です。軽いぎっくり腰の状態での肉体労働は、高い確率で重症化します。腰の負担を少しでも減らすためにコルセットやテーピングでサポートした上で、作業時間の短縮、腰に負担のかかる「前かがみ」姿勢の回避を徹底して実施することが必要です。また腰に掛かった負担や疲労の回復も必要です。お風呂に浸かって身体を温めるなどのセルフケアはもちろん、マッサージや整体で施術を受けて腰を少しでも良い状態に維持する心掛けが大切です。

(c)瞬発的な動き

軽いぎっくり腰の状態で瞬発的な動きが加わるとぎっくり腰が重症化します。代表例は「クシャミ」です。風邪や花粉症など連続してクシャミがでる場合は要注意です。クシャミは体幹に瞬発的に大きな衝撃を与えます。生理現象なのでコントロールは難しいですが、薬を服用して症状を抑えるなど「おもいっきりクシャミをする」ことは回避することが予防になります。他にも歩いているときに段差につまづき体勢を崩したタイミングや階段を降りているときに足を踏み外したときなどの「咄嗟の動き」も危険です。またゴルフや野球でフルスイングする場合も瞬間的に体幹に強い力が加わります。運動において全力でプレイするという瞬発的な動きはすべてぎっくり腰が重症化する原因となります。

(d)睡眠時の姿勢

普段なら問題ない睡眠時の姿勢でも、軽いぎっくり腰の状態では悪化を招く可能性があります。特に注意が必要なのは横向きやうつ伏せなど腰に負担がかかる姿勢での睡眠です。横向きやうつ伏せは腰に不自然はポジションを強制してしまいます。腰痛の状態によって仰向けで寝ることが腰に負担を感じる場合もありますが睡眠後の起床時に重度のぎっくり腰を引き起こすケースは珍しくありません。また腰を安静にするという考え方と相反するように感じるかもしれませんが、普段より「長い睡眠時間」も危険です。長時間の睡眠は睡眠時の腰のポジションによっては「安静」とはならず反対に負担となることがあります。できるだけ「いつも通り」の睡眠時間を心掛けましょう。他にも普段の睡眠時と異なる環境(ソファーで寝る、床で寝る、泥酔して寝る、など)も危険です。

(e)デスクワーク

デスクワークは一見すると動きがなく、腰にとって負担のかからない姿勢にみえますが、長時間にわたり同じ姿勢を保つことは筋肉が硬くなり、重度のぎっくり腰を引き起こす原因となります。椅子に座っている時、腰に痛みや違和感がなくても立ち上がろうとして体勢を変えた時に「ピキッ」と痛みが走ります。座っているときに痛みや違和感がないと無意識に立ち上がってしまいがちですが、腰には負担が蓄積しています。また座っている姿勢ですでに痛みや違和感を感じている場合は特に危険で、長時間にわたり腰に負担をかけていることになります。例え1~2時間程度のデスクワークでも、軽いぎっくり腰の状態では重度のぎっくり腰を引き起こす可能性があります。立ち上がるときはゆっくりと動き、立ち上がってからも初動は慎重にしましょう。小まめに休憩を挟み、腰を伸ばしたりして動かすことが予防になります。

軽いぎっくり腰のはずが、おもうように改善しないときは

軽いぎっくり腰であれば数日から10日ほどで改善または改善傾向がみられることが一般的です。しかしおもうように改善がみられない場合は放置することなく積極的に改善のためのアプローチが必要です。ここでは具体的な改善アプローチについて説明していきます。

(a)病院

軽いぎっくり腰だとおもっていた腰痛がおもうように改善しない場合、一度医療機関への受診を検討すると良いでしょう。病院では腰痛の原因が骨や神経と関係しているかどうかを調べることができます。また症状に応じて湿布や投薬などを処方してもらえます。病院に行くメリットは骨や筋肉といった要因以外の、例えば内臓器疾患が原因となって痛みを出す腰痛や大きな病気の前兆となる腰の痛みなどについて検査ができることです。軽いぎっくり腰だとしても痛みや違和感が長く継続する場合は専門医に相談することがよいでしょう。

(b)整骨院

軽いぎっくり腰は整骨院でも対応が可能です。痛みの程度や可動域制限をみて適切な処置を施します。施術やストレスにより硬い筋肉をほぐしたり、可動域制限を緩和したりと改善を実感できるケースも多くみられます。また腰痛に関する症例を多く経験しているスタッフであれば日常での注意事項など具体的なアドバイスがもらえます。整骨院では腰痛が実際に改善する瞬間があります。施術によるアプローチで痛みが改善し、普通に生活ができるように変化することもあります。病院では適切な「処置」を受けられますが腰痛の痛みがその場で大きく変化することはあまりありません。この点では整骨院を第一選択にしてもよいでしょう。状況に応じてテーピングを実施し、腰をサポートしながら日常生活を送ることも十分可能になります。

(c)生活習慣の見直し

軽いぎっくり腰でも、腰に負担のかかる生活習慣を続けていては改善は期待できません。腰に負担のかかる生活習慣とは睡眠不足、徹夜、ストレス、疲労の蓄積、暴飲暴食、アルコールの多飲など肉体的な要因から内臓の要因まで様々なものがあります。まずはしっかりと身体を休ませることのできる生活を意識しましょう。反対に腰に負担とならない運動を取り入れることも大切です。短時間のウォーキングやのんびりと行うストレッチも腰への負担を考慮しながら生活習慣として継続することが腰痛の改善に繋がります。

(d)腰痛の原因を探る

軽いぎっくり腰が発生した原因についてしっかりと分析しましょう。運動が原因であれば運動を控える、または運動の方法を変えるといった対処法が考えられます。また引っ越し作業やクシャミなどといった一時的な原因であれば問題ありません。しかし毎日の仕事や家事の中に腰痛の原因がある場合、なにか根本的な改善策が必要です。生活の中に腰痛の原因があるということは、それだけぎっくり腰になる可能性やリスクが高いことを意味します。このような状況では予防も難しいですし、一度痛めた腰痛が改善していくための環境として十分とはいえません。どんな原因がぎっくり腰を引き起こすのか、どんな生活習慣が腰に負担をかけるのかをしっかりと探り、改善と予防につなげることが大切です。

ぎっくり腰が「軽い」のか「重い」のか、判断が難しい場合があります。まずは経過をしっかりと観察することが大切ですが、軽いぎっくり腰と安易に判断することなく適切な処置を取ることが改善につながります。また予防の観点からも腰痛の痛みを放置することなく快適な生活が送れるよう心がけましょう。

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