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誰でもできる! 手首の痛みや腱鞘炎予防に役立つ手首の使い方

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腱鞘炎 予防

手首の痛みといえば、腱鞘炎が有名です。みなさんこんにちは。笹塚トレース整骨院の石垣です。テニスやゴルフ、卓球などをはじめ、道具を手に持っておこなう競技選手に多く見られる手首の痛みです。スポーツに限らず、日常の家事や最近ではスマートフォンの長時間使用でも手首の痛みが問題になっています。今回は腱鞘炎をはじめとする手首の痛みについて予防法を解説します。

「使いすぎ」だけが原因じゃない。腱鞘炎を引き起こすもう1つの原因

腱鞘炎の原因は「手首への負担」です。スポーツで同じ動作を繰り返したことによる負担やデスクワークやスマートフォンの操作による負担が考えられます。一般的に手首を使い過ぎたことが原因と説明され、なるべく手首を使わないように安静にすることが理想とされています。しかし手首が腱鞘炎を引き起こす原因としてもう1つ重要な要因があります。ここでは2つの原因について説明します。

(a)使いすぎによる腱鞘炎の痛み

スポーツや家事など、手首に対して同じ動作を何度も繰り返すことで起こるのが腱鞘炎です。言葉の通り、腱と腱鞘(腱を包む膜)が過剰なストレスを受けることで摩擦が起きて、炎症を引き起こします。これは強い痛みのほか腫れや発赤、熱感が伴います。手首を安静にしても、しばらくの間はジンジンと痛みが継続し、筋肉痛に似た状態になります。ダンベルなど重量物を使ったトレーニングでも、手首に負担がかかり腱鞘炎を引き起こす場合があります。後述する手首の角度も影響しますが、筋力に応じた重量のダンベルを使用することが重要です。買い物袋や手さげのバックも同様に重量物を持つ際の手にかかる負担は腱鞘炎の原因となります。また料理をする際にフライパンなどの調理器具の操作も手首には負担となります。

(b)手首の角度による腱鞘炎の痛み

腱鞘炎と判断される手首の痛みは手首の「角度」が問題で引き起こされることがあります。スポーツや家事といった負担のかかる動作をしていないにも関わらず、手首が痛くなった経験はありませんか? 実際、手首を使い過ぎたという覚えがない場合でも手首が腱鞘炎になることがあります。スポーツや家事は今までも同じことを習慣化して行っていることがほとんどです。つまり今までは平気だったスポーツや家事による手首の負担が、ある日突然に腱鞘炎を引き起こすのです。長年の疲労の蓄積という要因ももちろんありますが、手首の角度を意識することでほとんどの腱鞘炎は治まっていきます。今までは正しい手首の角度を維持できていたが、フォームを変えたり道具を変えたタイミングで手首の角度が変わってしまい腱鞘炎を引き起こすと考えられます。スポーツや家事といった手首を動かすことが原因ではなく、反対に手首を動かさないことが問題となります。デスクワークやスマートフォンで手首の角度が悪い状態が長時間続くことで腱鞘炎を引き超します。腱鞘炎という同じ手首の痛みでも原因が違うことで対処法も違ってきます。

腱鞘炎の症状を訴えるひとの話を聞くと、ほとんどの原因は(a)使いすぎによる腱鞘炎の痛みと(b)手首の角度による腱鞘炎の痛みに分類できます。使いすぎによる腱鞘炎の痛みであれば、アイシングや包帯固定により安静を確保すれば次第に改善されていきます。しかし手首の角度による腱鞘炎の場合は、固定や安静にしても同じ痛みを繰り返してしまいます。腱鞘炎と判断された手首の痛みがおもうように改善せず、再発を繰り返してしまうのは手首の角度が改善されていないという要因がほとんどです。

手首の負担を軽減する正しい手首の使い方

手首の角度によって引き起こされる腱鞘炎があります。手首の角度を修正したことにより痛みが改善したという実際の事例に基づき、手首に負担をかけてしまう角度と、負担をかけない角度について解説します。

(a)基本ポジション

前腕から手のひらが同じ直線上にあるポジションが基本です。前腕に対して手首が曲がっている状態は手首にかかる負担が大きくなり、その状態で反復動作を繰り返すと腱鞘炎に至ってしまいます。

腱鞘炎 予防

マウス操作では上の画像の状態が理想です。デスクに前腕(腕の部分)の全体を乗せて手首に角度がつかないようにします。イスやデスクの高さを調節して肘からマウスまでを同線上に配置しましょう。

腱鞘炎 予防

上の画像のように前腕がデスクから浮いて手首に角度がある状態は負担がかかり腱鞘炎を引き起こします。

腱鞘炎 予防

前腕(腕の部分)と手が直線上に位置することが理想です。手首にとって最も負担が少なく、自然な状態です。

腱鞘炎 予防

ダンベルなどの重量物を手で握る際はこのような手首の角度になりがちです。これは前腕に対して角度がついている状態で手首に負担をかけることになります。またラケットやゴルフクラブを持つときの角度もこの写真のように手首に角度がついてしまうことで痛みに繋がります。

腱鞘炎 予防

反対にこのような角度も手首には負担となります。腱鞘炎の中でも手首背面の痛みに繋がりやすい角度です。

腱鞘炎 予防

これは画像の右側が親指側になります。腱鞘炎で親指の付け根に痛みが出る場合はこのような角度で手首を酷使していることがあります。ドラムやピアノといった楽器の演奏で痛めるケースが多くみられます。

腱鞘炎 予防

上部画像の反対向きの角度です。画像左側が小指側になります。小指の付け根や手首の小指側に痛みが出る場合はこのような角度での作業が考えられます。

腱鞘炎や手首の痛みを訴える人の生活や仕事を聞くと普段どのような手首の角度で作業しているかがわかります。テニスやゴルフといった運動ではフォームを見るとわかりやすいです。ほとんどの場合、手首が痛くなったタイミングについて本人は「いつもと変わらない」「普段通りの負担」という認識ですが、その背景には道具を新調した、いつもより長い時間運動した、といった要因が確認できます。また手首に角度がある状態での動作は痛みが出る場合でも、手首の角度をフラットにした状態だと痛みが出ないこともあります。手首において痛みの出る角度と、痛みの出ない角度を比較検証することも予防に繋がります。

手首が痛くなったときの対処法

対処法は状況に応じた形で臨機応変に実施しましょう。

(a)安静にできる場合

手首に痛みの出る動作(運動や仕事)を回避できる場合は、安静にし固定しておくのがオススメです。可能なら包帯でしっかりと固定しましょう。手首が動かない状態、痛みが出ない状態をキープすることが重要です。固定は毎日交換し痛みの程度を確認しましょう。痛みが軽くなってきたら固定を緩めにしていきます。包帯固定を長期にわたりおこなうと手首の可動域に影響がでてしまうので痛みの状態にあわせて固定をおこないましょう。

(b)運動や仕事が休めない場合

手首に痛みがあっても運動や仕事が休めない場合は、テーピングによる簡易的な固定(手首のサポート)とマッサージなどのアプローチがオススメです。テーピングは運動や仕事で必要となる動作を程よく制限し手首にかかる負担を軽減してくれます。そしてマッサージなどで手首から腕、肘までの筋肉を刺激し回復に必要な環境を整えます。すこし時間はかかりますが痛みを「悪化させない」「改善していく環境」へ向かう現実的な対処法です。

腱鞘炎は治りにくく慢性化してしまうことが多いですがその理由は手首に負担のかかる動作が日常に多くあることです。逆にいうと手首にかかる負担を軽減することができれば腱鞘炎は予防が可能です。使いすぎによる腱鞘炎は安静にすることで改善が期待できます。安静にしていても改善しない腱鞘炎の痛み対しては手首の角度や使い方を見直してみることが大切です。

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