(a)温かく感じる「温感作用」
温湿布の「温」は唐辛子成分であるカプサイシンによる効能と考えられます。実際に身体に温湿布を貼るとジンワリと温かみを感じます。温湿布を貼る前と比較すると確かに違いがあるように感じられます。温湿布に含まれるカプサイシンは食材として唐辛子を食べることとは違い、皮膚感覚に作用するものです。実際に筋肉や血流に影響を与えるような「温熱効果」は使い捨てカイロやお風呂に入ることでしか得られません。つまり温湿布に「温熱効果」のような変化があるかといえば、そうではありません。また含まれるカプサイシン量は極微量で、皮膚に直接触れても発赤やただれが起きないレベルです。反対に温湿布を貼ることで皮膚がヒリヒリしたり赤くなってしまう場合は、カプサイシンのような刺激成分に対して過敏な反応を示す体質であることが考えられます。医師の処方箋が必要ない医薬部外品であることを考えると、カプサイシンによる温熱効果はほとんど期待できないといえます。