(b)反射をコントロールできるのか
伸張反射は「無意識」の反射で、自身の意識によってコントロールすることはできません。しかしインターネットをみると「伸張反射が起こらないようにゆっくりとストレッチをおこなうことが重要」という趣旨の説明があります。反射とは無意識の反応です。なぜ、無意識な反応なのかといえば身体を守るために素早い動きが必要になるからです。頭で考える間もなく、命を守るための行動を瞬時にとるのが「反射」です。つまり意識的に反射をコントロールできる、ゆっくりとおこなえば反射が起こらないという程度では危険から体を守ることができないのです。ではストレッチが「命を危険さらすほどの行為」なのかという疑問が浮かびます。確かにストレッチが身体にとって危険な行為とはいえません。しかし命の危険がおよばずとも筋肉を守る反応が「伸張反射」です。伸張反射の考え方を抜きにして語られるストレッチは矛盾を含むことになります。