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背中のコリをマッサージでほぐすことの深い意味とは

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背中 こり マッサージ

背中のこりは、その強靭な筋肉かつ連続的にかかる負担の蓄積により改善が難しいと言われています。みなさんこんにちは。笹塚トレース整骨院の石垣です。寝違えやぎっくり腰が比較的短期間で改善する一方で、背中のこりの改善には時間を要する傾向にあります。そこで今回は背中のこりを改善するマッサージについて解説します。

(a)背中とは脊柱起立筋の集合体

背中は脊柱起立筋と総称される筋肉の集合体で構成されています。背中の表面は主に僧帽筋や広背筋、そして深部には脊柱起立筋である3つの筋肉(多裂筋、最長筋、腸肋筋)が存在します。つまり「背中のこり」が意味するものの正体は脊柱起立筋であるといえます。

(b)抗重力筋としての「背中」の役割

背中に位置する脊柱起立筋はその名の通り、体幹をまっすぐに維持するための筋肉で、姿勢を維持するために常に活動していると考えられします。本来、重力によって体幹は丸みを帯びた姿勢(猫背)となりますが、これに抗うように姿勢を維持するのは脊柱起立筋の役割です。

(c)自律神経を妨害する最大要因

脊柱起立筋の中でも背骨の際に位置する「多裂筋」は脊柱を出入りする神経を取り囲むように位置している性質上、多裂筋の状態が悪化すると神経の働きを妨害すると言われています。つまり単純に「背中のこり」といった症状だけではなく、自律神経にも影響を及ぼしてしまうのが脊柱起立筋となります。

どのような症状で背中のこりをマッサージすべきか

すでに、背中にこりを感じている場合はもちろんの事ですが他の関連した症状についてもマッサージで改善が期待できます。もっといえば背中のこりを改善しないことには改善が難しい症状とも言える症状について解説します。

(a)腰痛、肩こり、頭痛

背中を中心としてその上部は肩こりと頭痛、下部は腰痛に深く関連しています。肩こりや頭痛の症状が強く出ている場合、辛さを感じている肩周辺や頭だけでなく背中のこりもほぐすことが重要です。これは一般的に「筋肉がつながっている」といった概念です。身体にある筋肉は、位置する筋肉の関係性だけでなく関節による「動き」によっても互いに強く影響を受けています。背中にある脊柱起立筋の大きさ(ボリューム感)を考えると背中のこりの改善を同時にアプローチしなければなりません。

(b)自律神経による症状

自律神経による症状とは主に「痺れ」や「感覚麻痺」ですが他にも「耳鳴り」や「めまい」も該当します。上述したように脊柱起立筋と自律神経は密接に関連している構造なので、自律神経症状の改善には背中のこりのアプローチが必須となります。

(c)ストレスや緊張

背中のこりは、精神的なストレスや緊張によっても発生します。無意識に肩に力が入ってしまうような場合では背中のこりを緩めてあげることで緊張が緩和しリラックス状態を作り出すことができます。マッサージの現場でも、患者さんの身体の状態を把握する判断材料として背中のコリの状態は指標の1つとなります。

背中のこり、ほぐす方法は?

背中のこりをほぐしたいと考えているなら参考にしてください。

(a)セルフマッサージは非効率

背中のこりをセルフでアプローチするのはとても非効率です。最近では筋膜ローラーなどローラーに対して自分が動くことで筋膜を刺激するようなアイテムもあります。しかし背中の筋肉は非常に強靭かつボリューム感があります。また少し専門的な解説を加えると脊柱起立筋は細かな筋肉の集合体です。つまり脊柱起立筋として全体を捉えつつも細かな筋肉を一つ一つアプローチしていく感覚が必要なのです。背中のこりをほぐすという意味ではセルフでのアプローチは非効率といえます。

(b)ストレッチなら「体幹」を意識

背中のこりをストレッチでアプローチするなら「体幹」を意識しましょう。腰を中心として前後方向に曲げ伸ばし、そして左右方向に身体を捻る(回転)動きがストレッチとなります。また同時に両手を高く上げる(万歳の姿勢)とストレッチがより強化されます。立った状態でおこなうケースと寝ころんだ状態でおこなう2つがオススメです。

(c)マッサージなら3本の筋肉を捉える

背中のこりをマッサージでアプローチする場合は首から骨盤にかけて上下に走る3本の脊柱起立筋を狙います。左右それぞれ3本なので合計で6本のラインをイメージします。それぞれの筋肉に対して効果的な指圧方向があり、これらを意識しないことにはこりもほぐれません。背中のこりが非常に硬い場合、指圧ではしっかりと圧を加えることが難しい場合もあり、その際は肘や特殊な器具を使用するマイオセラピーなども効果的です。また脊柱起立筋を介して自律神経の症状にアプローチする場合は、自律神経支配の位置関係も考慮する必要があります。単純に背中のこりをほぐす目的であれば一般的なマッサージで問題ありませんが、自律神経症状の改善には専門的な知識と経験が必要です。

背中のこりに対するマッサージは効果的である一方で、ただ指圧で押せば良いというものではありません。また自律神経症状の改善にはより高度な専門性が求められます。ご自身の症状に合わせてアプローチ方法を検討することが大切になります。

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