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【実例紹介】足首捻挫発生から後遺症、治療までのプロセス

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足首 捻挫 後遺症 治療

足首を捻挫してしまい、後遺症として痛みや可動域制限が発生した際の治療方法について困った経験はありませんか? みなさんこんにちは。笹塚トレース整骨院の石垣です。足首捻挫の後遺症は病院では相手にされないそうですね。というよりも「方法が無い」というのが現実のようです。つまり湿布や投薬では改善が難しいということのようです。そこで今回はマッサージでアプローチする足首捻挫の後遺症の治療について解説します。

(a)階段を踏み外して捻挫

足首の捻挫で大半を占める「内反捻挫」で、主に足首の外側の靭帯を損傷する捻挫です。外側のくるぶしに痛みがあり、程度により炎症や熱感を伴い歩行に支障がでます。階段や段差を踏み外すことで発生するメジャーな捻挫です。

(b)旅行先で応急処置は出来ず

その患者さんは旅行先で捻挫をしてしまい、アイシングや固定など応急処置ができずに丸一日過ごしたそうです。しかし病院に行くほどではないと判断し来院されました。

(c)捻挫の翌日に治療開始

応急処置は出来なかったものの、捻挫の翌日から治療を開始できたことは予後、後遺症の予防においてプラスの要素です。

【治療開始】

(a)炎症の沈静化

捻挫の治療では炎症の沈静化に対してアプローチします。靭帯や筋繊維の回復には炎症は「必要悪」ですが、過剰な炎症は回復を妨げる要因となります。

(b)テーピング固定

足首の捻挫では安定性に関連する「靭帯」の損傷が発生します。捻挫によって低下した安定性を補助するために固定は必須の処置となります。捻挫において固定を怠ることが最も治りを悪くさせてしまいます。

(c)患部の安静を指示

足首の捻挫の場合、痛みがあっても日常の「歩く」動作に関連するため「患部の安静」が難しいケガです。足首を捻挫しても現実的には「歩かざるを得ない」状況なので、なおさら「固定」が重要になります。

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【突然の治療中止】

(a)患者さんの自己判断

約2週間、回数にして4回の治療が終了した時点で足首の痛みは大きく改善されていました。しかしこの段階では「痛みの感覚が消えただけ」であり、損傷を受けた靭帯や筋繊維はまだ回復に至っていないことがほとんどです。しかし患者さんの判断により治療が終了となりました。

(b)痛みの消失

捻挫から2週間も過ぎれは捻挫当初に感じていた炎症の痛みは沈静化し、感覚的にも見た目にも「だいぶ治った」と多くの方が実感します。また歩行にも支障が無くなるので「あとは自然に治るだろう」と判断し、治療を終了してしまいます。

(c)偽りの日常生活

痛みがなくなり、歩行も問題が無いように感じるが、治療を終了して約一か月後に再び痛みを感じ始めることになりました。

【足首捻挫の後遺症治療開始】

(a)激しい圧痛

捻挫当初の炎症(ズキズキした)の痛みではなく、鈍い痛みが常に存在するような痛みが発生します。これは捻挫が治ったのではなく「痛みが出ないように歩いていた結果」です。足首の周辺にある筋肉群が過剰なストレスを受けているため、マッサージによるアプローチでは激しい痛みが伴います。

(b)慢性化した鈍い痛み

炎症による痛みを急性痛と呼び、炎症が治まったあとの痛みを慢性痛を呼びます。ひとによっては痛みではなく「違和感」と表現する場合もありますが、いずれにしても「まだ治っていない」「本当に良くなるのか」といった不安や疑問を感じる状態です。

(c)完治までの期間が2倍

経過をみると、最初に捻挫したタイミングから約一か月半から二カ月もあれば問題なく完治に至る予想であったが、治療を中断したために結果的には四カ月ほどの期間が必要になったわけです。そしてその四カ月は多少なりとも運動や行動には制限を受けることになり、再発を警戒しながら過ごさなくてはなりません。

足首の捻挫は日常でもよく発生するケガですが、適切に処置した場合と放置した場合とで結果が大きく異なる代表例といえます。また歩行に関わる足首の関節なのでその後の生活や運動における影響も決して少なくありません。捻挫は「痛みの感覚が消えてもまだ完治していない」と認識しましょう。

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