運動時の痛み

膝の内側の痛みに悩むあなたが取るべき5つの行動指針とは

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膝の痛み 内側

運動を控えていたのにまた膝が痛くなる、病院の検査で問題なかったのに膝の痛みが消えない、といったお悩みをお持ちの方に参考にして頂きたい5つの行動指針について解説しました。

(a)運動後

主にランニングやウォーキングの後に膝の内側が痛くなる場合、単純に「使いすぎ」のケースが考えられます。しばらく安静にして痛みが解消されれば問題ありません。万が一、運動の度に痛みが繰り返される場合、それは単純な「使いすぎ」ではなく「使い方の間違い」の可能性があります。詳細は下記(e)で解説します。

(b)歩いた後

通勤や買い物など普段から習慣化している歩行の「時間」や「距離」の範囲を越えて、いつもより長い散歩や移動の後に痛みが出る場合は「使いすぎ」と「使い方の間違い」の両方の可能性があります。普段よりも長く歩いたり移動したといっても、1時間程度の誤差であれば「使いすぎ」とは考えにくく、どちらかといえば荷物を抱えていたり歩きにくい靴で歩いていたなど「使い方(フォーム)の間違い」の方が可能性が高いといえます。

(c)筋トレ後

膝の内側に痛みを引き起こすことで有名なスクワットをやった後、着替え時の片足立ちや歩行時に膝の内側に痛みを感じる場合、スクワット時のフォームに問題が潜んでいる可能性があります。これは明らかに「使い方(フォーム)の間違い」です。フォームは感覚的に良し悪しを判断しがちですが、必ず鏡の前で目視して確認しましょう。よくみると左右の脚の動きがバラバラだったり膝の屈伸角度が違うなどの発見があるはずです。

膝の内側はどんな痛みか

痛みが発生してからどのような経緯を辿ったか、分析することで痛みの種類について分析ができます。炎症の痛み、筋肉、腱など痛みの種類に応じた対策が必要です。

(a)最初は痛くなかった

運動開始時は痛みがなく、時間の経過と共に痛みだし徐々に痛みが強くなっていった場合はフォームに問題がありそうです。どんなに短い時間の運動であっても「使い方(フォーム)の間違い」が存在すると痛みは発生してしまいます。逆にフォームに問題が無ければどんなに長い時間の運動を行っても痛みは出ないものです。この痛みは安静にしていることで痛みは改善されていきますが、フォームも改善も必要になります。痛みの種類としては「疲労の蓄積」となります。

(b)急に痛み出した

運動後まもなく、または運動してしばらくして急に膝の内側が痛みだす場合は「炎症による痛み」と「古傷の痛み」の両方の可能性が考えられます。どちらの痛みであっても「炎症」が伴っている可能性が高く、アイシングなどの対処が有効です。また過去に痛めたケガが再発する形で痛み出す場合は安静にして痛みが引いたのち、古傷に対する対処をおこなう必要があります。古傷による痛みは安静にしているだけでは改善することが難しく、根本的なアプローチが求められます。

(c)時間が経ってから

運動や筋トレ後、しばらく時間が経過してから膝の内側が痛みだした場合は、股関節は足関節の影響を受けている可能性があります。使い方(フォーム)を間違えた運動や筋トレによって股関節や足関節にダメージが蓄積することにより歩き方や座り方が強い影響を受けることになります。痛みを感じる場所は膝の内側であっても、強く影響を受けている股関節や足関節へのアプローチによって改善が期待できます。

膝の内側の痛みを改善する5つの行動指針

病院での検査にて問題がないことが大前提です。関節内部に異常が認められず、それでも膝内側の痛みが改善されないときにオススメな5つの行動指針について解説します。

(a)鷲足炎の可能性

鷲足炎(がそくえん)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。膝内側の痛みを引き起こすことで有名な鷲足炎ですが、縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つの筋肉が膝の内側の同じエリアに集中して付着することから痛みを誘発しやすいと言われています。炎症の痛みはアイシングや安静が必要ですが、3つの筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)への施術アプローチによっても痛みの改善が可能です。安静にして回復を待つだけでなく、積極的な改善方法が存在します。

(b)膝関節内部の痛み

痛みの程度に関わらず、膝の痛みが一定期間継続する場合は専門病院で検査を受けることが望ましいといえます。なぜなら単純な筋肉や腱を原因とする痛みとは限らないからです。痛みの原因が関節内部の構造(靭帯や軟骨)に存在する場合はマッサージを受けたり安静にしているだけでは改善されません。また、マッサージや整体を受けても改善がみられない場合も、取り返しのつかない状況に陥ることもありますので専門医の判断が必要です。

(c)関節の変形

膝の内側の痛みというと「骨」「筋」「神経」といった要素が疑われがちですが「関節の変形」というポイントも重要です。自分自身では関節の変形を認識できないことも多く、病院や整骨院といった施設で客観的に判断してもらう必要があります。関節の変形は膝とは限らず、股関節、足関節、そして骨盤や上半身にも波及します。つまり関節の変形が、直接的または関節的に膝の関節に負担をかけ、結果的に痛みを出しているということが考えられるのです。この場合、どんなに膝へのアプローチを行なっても改善は見られず、関節の変形を改善することが優先事項となります。

(d)股関節の影響

膝の内側の痛みを訴えるケースの多くでは、同時に股関節にも問題が発生しています。それは股関節の可動域のみならず、歩行や立位のときのポジション、反対の脚とのバランスなど多岐にわたります。上述した関節の変形と同様に、順番として股関節の不具合が先に発生し、時間の経過と共に膝に悪影響が及ぶパターンも検討する必要があります。

(e)フォームの問題

歩行時の脚の「歩幅」や「リズム」が不均衡であることは膝にとってマイナス要因です。また立っているときの姿勢で、片足に体重を傾ける習慣もいけません。筋肉量に見合わない重量を扱う筋トレもフォームが乱れがちで悪影響となります。どのような動き、運動であっても「偏り」「歪み」は関節や筋肉に過剰な負担をかけてしまうことになります。フォームの見直しは定期的に実施すべき重要なポイントです。

膝の内側の痛みは、膝のそのものに原因がある場合とそうでない場合があります。また安静にしていれば自然に改善する、マッサージを受けていれば改善するとも限りません。必ず「痛みの原因」をしっかりと分析した上で正しい対処法を検討することが重要です。

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