(b)痛みが消えたのは「途中経過」
痛みが消えた=治ったと考えるのは時期尚早です。五十肩は痛みのある時期と無い時期を繰り返します。五十肩の初期は炎症による痛みが強く、可動域制限はそれほど強くありません。炎症による痛みは一定期間で沈静化し、次第に「動かすと痛い」「特定の動きで痛い」という状態に移行します。その後は痛みが伴うものの、主な症状は「拘縮」です。肩の可動域において一定の高さまでしか「腕が上がらない」「手が後ろに回らない」といった日常生活における不便さが強くなります。このように時系列で症状が変化していくのが五十肩の特徴です。適切な処置をせずに、痛みが消えたとしても、それは次の症状が出現するまでのわずかな「安息」であるといえます。