慢性的な痛み

実はあなたもやっている? 腱鞘炎の原因となる生活習慣6選

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腱鞘炎 原因

そのうち良くなるだろうと思って腱鞘炎の痛みを放置していませんか? 手首の痛みに対するアプローチだけでなく、原因についても考察が必要な腱鞘炎について解説します。腱鞘炎が改善せずに悩んでいる場合は、腱鞘炎を引き起こす「原因」について考えてみることをオススメします。

腱鞘炎を引き起こす6つの原因

腱鞘炎を引き起こしやすい原因として下記の6つが挙げられます。仕事や生活で当然のように おこなっている動作の中に「原因」が潜んでいます。

(a)マウス操作

パソコン操作の際のマウスの動かし方に腱鞘炎の原因があります。マウスを使っての細かい操作では手首の可動域を最大限に活用しますが、手首の可動域はそれほど広いものではありません。つまり、手首の関節だけでマウスを操作することは関節に常に負担がかかっていることになります。マウスを操作する際は手首の可動域ではなく、肘から先の前腕の動きも活用することが大切です。

(b)Enterキー操作

パソコンのタイピング操作では右手の小指で「Enterキー」を押します。この動きは手首に大きな負担をかけます。前腕に対して手首が外側に大きく引っ張られるポジションとなり、腱鞘炎では手首の小指側の痛みを引き起こす原因となります。

腱鞘炎 原因

(c)スマートフォン

スマートフォンを持つ際の手首の角度は、手首にとって負担のかかるポジションとなります。片手でスマートフォンの画面を顔の正面に配置し、かつ親指で画面をタッチしようとする際の手首は関節に「屈曲」と「捻り」が強制されます。スマートフォンが当たり前になった現代では気にしない人がほとんどですが、長時間スマートフォンを操作する際は脇を締めて前腕ごと身体の正面に配置することが大切です。

腱鞘炎 原因

(d)親指の酷使

昔は経理などで大量の紙をめくる作業をしていた人に多い原因でしたが、現代ではスマートフォンやゲームに置き換わりました。手首の関節と同様に、親指の付け根は腱鞘炎を引き起こしやすい部位です。片手でスマートフォンの画面をタッチする動作や、ゲームで親指を酷使するすることは腱鞘炎の原因となります。ここで注意が必要なのはスマートフォンやゲームを操作しているときは案外痛みがなく、他の動作(ドアノブを捻る、物を持ち上げるなど)で痛みを感じるケースです。これは原因が親指の酷使であるにもかかわらず、痛みを実感するタイミングが異なることで「親指の酷使が原因である」という認識が生まれにくいという問題を引き起こします。腱鞘炎の痛みが長期間にわたり改善されない場合は親指を酷使していないかを確認しましょう。

(e)重量物を手で持つ

手で何かを掴んで「持つ」という行為は少なからず手首にとって負担となります。手で持ち上げるものが大きく、重いものであればあるほど手首にかかる負担も大きくなります。特に重い物を持つことが習慣化しているケースでは、上記で解説したように実際に手で物を持っているタイミングでは痛みが出ないことが珍しくないでしょう。手で物を持ち上げる動作以外の動き(ドアノブを捻る、立ち上がるときに床に手をつく)で痛みを認識することがほとんどです。またダンベルを使って前腕のトレーニングをしているときは痛みがなく、懸垂などでバーを強く握りしめるタイミングで痛みが出るケースもあります。つまり習慣的に重い物を持つ場合、直接的な原因となっているタイミングでで痛みを感じず、あまり関連のない動作で痛みを感じるといった「ズレ」が生じます。痛みの感じるタイミングに原因があるとは限らないという認識が必要です。

(f)手首の反復動作

スポーツの現場で多くみられる腱鞘炎の原因として「手首の反復動作」があります。テニスのラケットを振る動作やゴルフのスウィングなど同じ動作の繰り返しが腱鞘炎を引き起こします。これは上記までの例と異なり、腱鞘炎を引き起こす原因が運動時における動作そのものに存在します。動作時のフォームや手首の使い方の癖に問題があることが多く、改善には「手首を痛めないフォームの獲得」が重要になります。原因が明確なので改善することは比較的容易ですが、手首に負担をかける手首の使い方を継続しているうちは必ず再発します。

腱鞘炎を抱える患者さんに問診をした結果、多く聞かれた原因が上記の6つです。また治療を施しても再発してしまうケースでは手首に痛みを感じるタイミングだけでなく、原因となり得る様々な動作について検証してアドバイスを行います。腱鞘炎の原因として、痛みの感じない動作にも原因があることを理解しましょう。

腱鞘炎にオススメなセルフケア

腱鞘炎の改善には原因の特定が欠かせません。しかし原因が習慣化していて簡単には改善が  難しい場合や痛みが強い場合には手首の負担を軽減するセルフケアが効果的です。

(a)固定

腱鞘炎は少なからず「手首の使いすぎ」という要因が存在します。また手首に負担のかかる「角度(ポジション)」での操作も大きな要因です。このような手首の負担を減らす方法として「手首を固定」することは非常に有効です。腱鞘炎の改善にはなるべく「手首を使わない」ことが重要です。手首を固定しておくことで手首の動きを「制限」すると同時に、多少の負担であれば軽減することができます。市販されている手首用のサポーターを常用したり、運動時にはテーピングの活用がオススメです。

(b)温熱

腱鞘炎は、手首に過剰な負担がかかったことで血流が悪化したり筋肉が硬くなったりといった状態に陥ります。手首への負担を軽減する対策(固定)と並行して手首の状態を改善する上で効果的なのが「温熱」です。使い捨てカイロや電子レンジで温めて使うホットパックなどが簡単です。温熱を行う際は痛みの感じる「手首」のほか、手首から肘の「前腕」部分の温熱が効果的です。これは筋肉量の違いを考慮した考え方で、手首周辺には筋肉がほとんどありません。一方で前腕の肘に近い部位の方が筋肉が豊富です。温熱による血流改善を最大限引き出すには、筋肉にアプローチすることが効率的です。シャワーや湯船で手首を温める際も、手首だけでなく肘から先の全体を温めてることが大切です。

(c)ストレッチ

腱鞘炎の痛みを軽減する方法として「ストレッチ」の活用もオススメです。これは直接的に腱鞘炎の状態を改善するというよりも、腱鞘炎によって狭くなっている手首の可動域改善に有効です。手首のストレッチは手首の関節よりも、前腕にある「手首を動かす筋肉」へのアプローチです。つまり手首を大きく曲げたり捻ったりするといった意識ではなく、前腕に筋肉全体が伸ばされるような意識が重要になります。腱鞘炎による痛みを我慢して無理やりストレッチしてしまうことはかえって悪化を招いてしまいます。

(d)手首の圧迫

これは筆者が日頃から実践しているケア方法です。腱鞘炎を患っている方の手首をもう片方の手で握ります。あとは握力を使って握る、離すの動作を数回繰り返します。腱鞘炎になど手首の痛みを抱える場合に多くみられる特徴として「手首が縮んでいる」ことが挙げられます。本来、手と前腕の間(手の関節)には一定の「隙間」があります。この隙間が存在することによって手首は正常な可動域を確保します。しかし腱鞘炎をはじめとする手首の痛みでは隙間が「狭くなっている」います。隙間そのものはごくわずかなものですが、手首を動かす「腱」や「筋肉」が硬くなるとこの「隙間」が狭くなってしまい、可動域制限や痛みを引き起こします。腱鞘炎を患っている手首を反対の手で握り、圧迫することで手と前腕の拡げてあげることが症状の軽減につながります。

腱鞘炎 原因

腱鞘炎の原因は日常生活の中に多く存在します。また痛みの出るタイミングと、原因となる動作に「ズレ」が生じているケースも多く、原因の特定を見誤ることで見当はずれなアプローチとなり改善までに時間がかかることもあります。腱鞘炎の原因について、改めて見直してみると意外な生活習慣に原因が見つかるかもしれません。

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