世の中には数多くの施術が存在します。どの施術であっても基本的には身体を良くすることがメインの目的です。施術を受ける側からすれば問題が解決されればその方法はあまり問題にはなりません。しかしあなたの問題解決にマッチした方法とそうでない方法があるとしたら、あなたは慎重に施術を選択する必要があります。方法の選択を誤ると問題が解決しないどころか悪化してしまう可能性もあります。つまり施術の方法がなんでも良いという認識では問題解決に至らない結果を招いてしまうのです。今回は痛みの伴う施術についてお話していきます。
この記事の目次
”ソフトタッチで施術します” ”痛みを感じない施術が得意です”
痛みが伴わない施術で問題が解決できればベストです。しかしおもうような問題解決が得られない場合は他の方法を検討する必要があります。痛みの少ない施術というのは身体に加わる”刺激量”も少ないということです。この刺激量の少なさを「身体への負担が軽い」と表現するケースをみかけますが、刺激量というのは目的とする身体の状態に合わせて調節していくのが正しい考え方です。つまり痛みが少ない施術は身体の状態に関係なく刺激量を少なくするということを基本としていることになります。身体の状態によって多くの刺激を加え多くの反応を必要とする症状の場合は刺激量の少なさが問題となってしまいます。この刺激量は刺激に対する身体の「反応」に直結しますので結果的に”効果”の部分に大きな影響がでます。あなたが求める問題解決に対してどのくらいの刺激量が必要なのかという視点が大切です。
アスリートボディケアの現場では
テレビでプロアスリートが専属のスポーツトレーナーの施術を受けているシーンが流れることがありますね。メンテナンスの時間にインタビューする場面ですが施術を受けているアスリートの表情は痛みで苦悶していることがほとんどです。よほど痛みの伴う施術なんだろうと想像できますが、あれは回復だけを目的とした施術です。次の試合までに身体をケアして万全の状態を目指すわけですが、それがスポーツトレーナーの仕事でありアスリートの望むものなんですね。試合が迫っているタイミングで施術の痛みを気にしている場合ではありませんしプロセスより”結果”が求められます。もちろん痛みの伴う施術の前後には段階的に刺激を増やしていきもっとも狙いたいポイントに向けて準備状態を作ります。その後はまた刺激量を段階的に減らして全体として馴染ませるようにクールダウンさせます。このように痛みの伴う施術を行なうための準備という視点があるからこそ可能になる施術と言えます。そしてこれこそが短期間に結果を出すために最善の策だということをアスリートもトレーナーも経験的に理解しているのでしょう。反対にシーズンオフ期間やリハビリ期間、次の試合までの日程にゆとりがある場合はそれに応じた刺激量の施術を行ないます。施術の選択は刺激量を起点とするより状態や目的に応じて設定する方が理にかなっているのです。
あなた自身が求めるものを明確に
早く、そして完治を望むひともいれば時間をかけて少しずつ改善すれば良いというひともいます。コストをかけても早く治したい、時間があるからコストは抑えたい、痛みの伴う施術は不快、早く治るなら痛みは我慢できる、などあなたが求める条件を明確にすることで選択すべき施術の方法が絞られてきます。
あなた
「一か月後にフルマラソンを走る予定なんですが右膝が痛くて完走できるか不安を感じています。練習もしないといけないし、この膝の痛みなんとかなりませんか？」
施術者
「一か月後にフルマラソンですね。右膝の状態をみる限りですと微妙なとこですね。本番まで安静にしていられるなら話は別ですが練習をしながらとなるとそれなりのケアが必要と思います。ところでそのフルマラソンというのは完走が目的ですか？それとも目標タイムなど明確にありますか？例えばですけど完走だけが目的でフルマラソンのあとはしばらく膝が痛むかもしれないけど痛みを抱えながらでも完走できれば良いということなら30分の施術を週2回くらいケアできればイケると思います。でも明確な目標タイムがあって走っている時に右膝が痛むのは回避したい、そしてその後またすぐに走る機会があるから完走後も痛みが出ない状態にしたい、ということなら最初の2週間は50分の施術を週2回実施して、膝の状態をみて本番までの2週間の施術プランを組みます。あとは練習量についてもこちらで指示させてもらいます。いかがですか？」
あなた
「実は一か月後のフルマラソンのまた3週間後に別のフルマラソンに出る予定なんです。しかもこちらは仲間たちと遠征で参加する大会なのでキャンセルは難しいです。この時期は大会が多くてどうしても連戦になってしまうんですよ。厳しいですかね？」
施術者
「なるほど。さっきのお話でいうと後者のほうがよさそうですね。とりあえず50分の施術を週2回で2週間実施してみましょうか。これで大きく改善できるかもしれませんしあとは練習量を少し調整しながら状態を整えましょう。」
あなた「わかりました。今はフルマラソンのことだけ考えます。それでお願いします。
あなたの求めるものやゴール設定が明確であるほど施術者は具体的な提案ができます。コスト・時間・期間・目標などに合わせた施術プランを相談の上、施術を受けることが大切です。せひ参考にしてみてください。
