マッサージ

結果が大切かプロセスが大切か。どっちも大切か。

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あなたが身体のどこかに痛みを抱え、自力他力問わず試行錯誤した結果、その痛みを克服したとします。その時は「あぁ治って良かった」と胸をなでおろすと思いますがちょっと待ってください。本当にそれで良いんですか?終わり良ければすべて良しというスタンスの方もいると思いますが現在の医療のトレンドは「予防」「セルフケア」です。医療は常に可能性と限界の狭間に立っています。治るものと治らないもの、それは同時に医療以外の可能性の模索へと広がりを見せ、我々患者にとって多くの選択肢を提示してくれています。プランAでは治らないがプランBでは改善が見られる、プランCであれば治癒が期待できるというような時代です。1つの方法や情報に固執してしまうことで大きく未来が変わってしまうのです。

 

健康の概念が変化している

今の医療のトレンドが予防やセルフケアとなっているのは大きな理由があります。それは「病気になってからでは遅すぎる」です。つまり不調を感じてから病院に行って検査をして治療を開始するようでは治らないのです。そこに医療の限界が見え隠れしています。また「もっと早く対処していれば」というタイミングも重要であり、治るものも治らないケースが多くあります。
かつての医療は外科が花形でした。もちろん今も花形であることには変わりないと思いますが、現代の病気の特徴は免疫に関するものです。免疫というのは外科領域で「切除」「摘出」といった手法では対応しきれないのです。そこで医療は「遺伝子領域」へと発展していきます。遺伝子的に原因を探ると同時に遺伝子的な予防と治療の方法が模索されています。時代はいずれ遺伝子へのアプローチと細胞の再生という分野に集約されるでしょう。つまり薬や手術といった医療行為が不要になる時代もそう遠くはないのです。

 

健康の自己責任論

大まかな医療の流れについてイメージが湧いたと思いますが「予防」「セルフケア」が意味するものは「自己責任」です。今までは病気に罹ることは仕方がなく、誰もが病気に罹る可能性があると考えられてきました。しかし近年になって病気に罹るひと・罹らないひとの間には明確な違いがあることがわかってきています。1つは前述した遺伝子の要因です。もう1つは「生活習慣」です。食事・ストレス・喫煙・睡眠など研究が進むにつれて病気に罹りやすいひと、罹りにくいひとのリスク指数が明確になっているのです。

最近見た某保険会社の広告で「健康増進型保険」なるものを見かけました。健康増進を目的とした一定の運動を条件に保険内容が有利になるものです。罹患率と睨めっこしながら商品開発する保険業界は医療のトレンドにとても敏感です。この保険は加入者が「健康増進を行なっている」ことを理由に「健康増進を行なっていないひと」と区別しているのです。
運動することで健康増進にどの位の影響があるのか確たるエビデンスがあるのか不明ではありますがこの保険業界の動きは注目すべきものだと思っています。

自己責任論が向かう先

「予防」「セルフケア」の背後に潜む自己責任という医療の新しいトレンドは別の一面も持っています。
それは医療費問題です。日本は国民皆保険というシステムが存在するお陰で殆どの国民が一定の医療を受けられる幸せな国です。しかしみなさんご存知の通り少子高齢化で保険料を納める人とその保険料を消費する人の割合が逆転しつつあります。単純に保険料という財源の収支が合わず赤字となっているのです。
この国民皆保険というシステムは変革を迫られることになります。変革の時期やその内容についてはわかりません。しかし上記に挙げた医療のトレンドを見る限りでは健康に関する自己責任論は大きなテーマになると考えられます。健康増進を頑張った人は医療費の消費が少ないだろうから安い負担で医療を受けられる、健康増進を怠ったひとは医療費を多く消費するだろうから高い負担が必要だ、という流れは容易に想像できます。少なくとも健康増進の実態に沿った医療費の負担という概念は導入されるのではないでしょうか。

遠くない未来に、現在当たり前に享受している医療が突然受けられなくなったり今までのように気軽に安価で受けることが難しくなるかもしれません。

 

結果は当然、さらにプロセスが重要になる

長くなりましたがこのような時代の流れを前提として「予防」「セルフケア」がより一層重要になってくることを考えるとあなたが痛みを抱えて試行錯誤の結果で改善に至ったとしてもそれで良しとせずに、どうして痛みが出たのか、なぜ改善に至ったのかというプロセスを知ることが「予防」であり「セルフケア」に繋がるということを理解する必要があります。そこで医師をはじめとする医療人に求められるスキルとして「改善」は当たり前であり、患者であるあなたに対して痛みが発生した理由や予防に必要な情報を提供するスキルなのです。同時にその理由や予防に関する情報を正しく理解して実践に移せる患者側の理解力も求められると思います。良くも悪くも一方通行な医療は影を潜め、双方向に情報が行き渡る医療へと変化していくことでしょう。この辺はAI(人工知能)の導入が必須となると思いますがいつの時代も自分の健康は自分が主体性を持つ必要があるのです。誤解を恐れずに言えば、健康増進を怠ることが「過失」となりあなたの不健康は自己責任の一言で片付けられてしまう新たな時代が訪れようとしています。

医療人の果たす役割は今後大きく変わり、医療を受ける側の人間も健康増進の努力を求められることになります。

あなたが受ける医療について、結果だけを重視するのではなくプロセスに目線を向けてみましょう。

笹塚トレース整骨院。記事の内容に基づいた施術はこちら

 

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