マッサージを行う際の考え方はいくつもありますが効率よく筋肉をほぐしていくことを考えた場合、「方向」と「角度」と「順番」が大事なポイントになります。今回のお話はマッサージを受ける側というより施術する側の内容になりますが、このポイントはマッサージを受ける側のあなたが知ることでも十分なメリットがあります。あなたがマッサージを受けた時に感じる「このひとマッサージ上手いな」や「この担当者は自分の身体の事をよくわかって押している」と感じるポイントはこのあたりにあるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
筋肉には押すべき「方向」がある
筋肉によってその方向は様々で筋肉の厚みや位置によっても方向が微妙に変わります。例えば隣り合う筋肉と筋肉の隙間は筋肉の緊張を緩和するのに有効です。筋肉と筋肉を”引きはがす”ように、その隙間に数ミリの空間を作り出すようなイメージです。また筋肉と骨の隙間も重要です。こちらも筋肉と骨を引き離すように方向を定めますが骨の形状に沿って方向を探る必要があります。骨の形を立体にイメージして曲線や隆起を意識しますが方向が正しくないとマッサージを受けている側は「何も感じない」「不快に感じる」といった”的外れな”印象を受けてしまいます。
つまり筋肉や骨の立体的なイメージに基づいた方向で圧が入れば受けている側のあなたは「気持ちよい」「痛気持ちい」「ツボに当たっている」というような感覚を受けるはずなのです。この感覚があるかないかでマッサージの効果を判断するのも良い方法と言えます。
筋肉には押すべき「角度」がある
上記の「方向」と併せて重要なのが「角度」です。この「角度」は「方向」が正しいことが前提になります。施術する側の人間は正しい方向を見極め、筋肉の緩みを感じているタイミングでいくつかの「角度」をアプローチします。これは”筋肉を追い掛ける”と表現されますが例えば圧を入れる面に対して30度の角度で圧を加えて筋肉の緩みを感じたとします。この”緩み”は数ミリの変化で落ち着くことがほとんどですが、この時に方向を変えずに「角度」を変えると新たな筋肉の緩みを感じ取ることだできます。マッサージを受けている側のあなたは30度の時に受けた感覚とはまた違った「さらに効く」「さっきより効く」といった印象を受けることでしょう。施術する側が角度を変えることで”同じ刺激の繰り返しではない”様々な感覚を、受けている側のあなたに伝えることができるのです。
筋肉には押すべき「順番」がある
「方向」「角度」が重要であることはご理解いただけたかとおもいますがさらに筋肉にはマッサージをする「順番」よっても大きく結果が変わります。人間の身体には大小さまざまなサイズの筋肉がありますが筋肉のボリュームや面積の大きい筋肉からアプローチすることが重要です。最終的に「どの」筋肉を狙うかで順番の組み立ては変わりますが上半身でいば広背筋や憎帽筋、下半身でいえばお尻や太ももの筋肉などが順番の最初でアプローチすべきポイントになります。これは施術の初期段階で血流の大きな変化を起こす意味があり、最終的に狙う筋肉へのアプローチを容易にする効果があります。狙いたい筋肉から逆算して隣接する大きい筋肉からほぐすことで「もみ返し」を予防し、マッサージが終わったあとのスッキリ感をしっかりと出す要因がこの「順番」なのです。時間の都合などで短い時間のマッサージしか受けられないケースではなかなかスッキリ感を得るのは難しいですが、この「順番」の要因を考慮することで短い時間でも効果的な施術にすることができます。
マッサージを受ける側からすると意図して順番を意識することは難しいですがスッキリ感を求めるのであれば辛いところをピンポイントで押してもらうより辛い所を中心としてその周りも含めてマッサージを受けると良いでしょう。
「方向」と「角度」は気持ち良さを生み、順番はスッキリ感を生む要因となると説明しましたが受ける側のあなたが「そこが気持ち良い」「そこは何も感じない」といった評価を施術者に伝えることが大切です。マッサージを受ける際はぜひ意識してみてください。