痛みをとるために

スクワットで膝が痛い場合に考えるべき原因と対策を徹底解説

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スクワット 膝が痛い

整骨院を運営する筆者のもとにも、スクワットをすると膝が痛いというお悩みをお持ちの方が来院されます。原因を探るとフォームの乱れはもちろんですが身体のバランスや不慣れな動作による要因が見受けられます。スクワットの正しいフォームだけを意識するのではなく、膝に負担をかけないために必要な対策を講じることが予防につながります。

今回の記事は「スクワットの正しいフォームを身に付けて膝の痛みを改善する」のではなく「膝の痛みを改善するためにはどのようなことに注意してスクワットをおこなうべきか」という視点で解説されています。つまり膝の痛みを改善することを目的としているため、スクワットの正しいとされるフォームから多少なりとも逸脱した考え方を記載しています。予めご了承ください。

スクワット 膝が痛い

(a)スクワットは太ももに負荷をかけるトレーニング

スクワットはお尻や太ももの筋肉を強化するトレーニングです。しかし一方では膝の関節に負担をかける行為でもあります。トレーニングによって筋肉が強化されるメリットの側面が強く意識されがちですが、膝の関節に負担をかけるというデメリットの側面を忘れてはいけません。

(b)腰を落とす位置が膝の痛みを引き起こす

スクワットの正しいフォームの意識すると「腰を落としてお尻を突き出す」ことが重要であるとされています。しかし腰を落としてお尻を突き出す姿勢は膝の関節が深く曲がった状態で、この姿勢から再び膝を伸ばしように上半身を起こす動作は膝の関節にとって大きな負担となります。筋肉を強化することだけを意識し過ぎると、関節の寿命を縮めてしまうことにつながります。

(c)スクワットは同じ動作の繰り返し

スクワットは同じ姿勢を維持するトレーニングと違って「反復」するのが特徴です。膝の関節に負担のかかるスクワットを何度も繰り返しおこなうことは、同様に膝の関節にも反復した負担が蓄積されます。さらに、フォームの乱れがある場合は膝の関節を破壊してしまうことにつながります。

スクワットで膝が痛いと感じるときにチェックするフォームの見直しポイント

ジムのトレーナーの指導を受けていても、それはあくまでも「スクワットにおける正しさ」であり「膝を痛めない」という視点は不足していることがあります。

(a)お尻の突き出し

スクワットにおいてお尻を突き出すのは太ももやお尻の筋肉に効率よく「負荷をかける」ためですが、その代償として膝の関節を動かす太ももの筋肉が硬くなります。膝の関節を動かす筋肉が硬くなれば当然、膝に痛みが誘発されます。特にスクワット初心者はお尻を突き出す意識よりも膝に負担をかけ過ぎないことを意識すべきといえます。

(b)膝の位置

お尻を突き出す動作と同様に、腰を落とすと膝の関節を深く曲げることになります。この姿勢は太ももの筋肉の強化になる一方で、関節にも大きな負担となります。スクワットでは腰を曲げる際に「膝はつま先より前に出さない」ことが良い姿勢とされています。しかし膝をつま先より前に出さない姿勢は膝の関節に対して上半身を重量の多くを乗せてしまいます。これはお尻や太もものに十分な筋力がある状態でなければ「負担」でしかありません。スクワット初期は膝の位置をつま先よりも前に出して、膝への負担を軽減させるフォームを意識すべきといえます。

(c)つま先の角度

スクワット時の膝とつま先は同じ方向を向くことが良いとされています。膝とつま先が同じ方向を向いていても、左右の膝とつま先が同じ方向を向いていない場合があります。イメージ的にはつま先が「逆ハの字」が理想です。よくあるケースでは右足に比べて左足のつま先がより外側に向いているというものです。スクワットをする際は必ず両足のつま先が「逆ハの字」で同じ角度を維持できているかどうかを確認しましょう。左右のつま先の角度がバラバラだと、負荷のかかる筋肉に「偏り」ができてしまい痛みの原因となります。

スクワット 膝が痛い

スクワット以外でも同じ効果を得られる筋トレ方法

スクワットは手軽にかつ簡単にできるというイメージが強いですが、ケガのリスクを考えると決して簡単なトレーニングとは言えません。

(a)エアーチェアー

エアーチェアーは「空気イストレーニング」です。上半身を真っすぐに維持したまま膝だけを曲げて腰を落とします。負荷は膝の角度で調節できます。最初は壁などに背中を付けておこなう良いでしょう。膝の関節の反復がないので膝にかかる負担はスクワットに比べても軽いトレーニングです。

(b)レッグレイズ

仰向けの姿勢になって下肢を浮かせるというシンプルなトレーニングです。太ももの前側の強化に適していて、簡単なようにみえて地味に辛いトレーニングでもあります。

(c)バックエクステンション

うつ伏せの姿勢でお腹を中心に上体と下肢を浮かせます。この状態をキープすることでお尻やハムストリングスの筋肉を強化することができます。これも関節の反復運動がないトレーニングなのでケガのリスクは低くおこなうことができます。

スクワットで膝が痛いという状態はフォームの乱れだけが原因ではありません。根本的な筋力不足、不慣れな運動など、どんなにスクワット的に正しいフォームでも痛みが引き起こされます。膝の痛みを予防するような、自身に合ったフォームを探してみましょう。

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