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揉み返しを回避する! 注意が必要なマッサージの受け方を解説

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揉み返し

マッサージにおける揉み返しを撲滅したい。みなさんこんにちは。笹塚トレース整骨院の石垣です。マッサージや整体の施術を受けて翌日などに起こる「揉み返し」ですが、実はしっかりとリスク管理が可能です。今回は施術を「受ける側」が注意すべき揉み返し回避術について解説します。

(a)マッサージ後に出現

当然ですがマッサージを受けた後に出現します。もっと言えばマッサージを受けたという事以外に要因が見つからないという状況で揉み返しが考えられます。例えばマッサージとは別に激しい運動をした、引っ越しなどで重労働をした、といった要因が重なる場合は必ずしもマッサージによる揉み返しとは言えない場合もあります。

(b)マッサージ直後から数日間に出現

揉み返しの発生には個人差があるものの、タイミングとして早い場合はマッサージを受けた直後から、遅い場合でも翌日までの間に痛みや倦怠感が増幅した場合は揉み返しであると考えられます。揉み返しはおおよそ3日から5日程度、人によっては1週間以上継続する場合もあります。

(c)揉み返しと好転反応

マッサージを受けた「結果」として痛みや倦怠感が増幅すれば「揉み返し」と言われますが、揉み返しがおさまった後に症状が改善されれば「好転反応」だったという解釈になります。これは個人の捉え方によって解釈が異なると思いますが、揉み返しは「不快な痛み」であり好転反応は「心地良い痛み」といった感覚的な違いを多くの患者さんが述べている事からも似て非なるものであることがわかります。

揉み返しの具体的な症状とは

好転反応とは違って、揉み返しに共通する具体的な症状について解説します。

(a)痛みや倦怠感の出現

マッサージで押された箇所に痛みや倦怠感が出現するのは揉み返しの大きな特徴といえます。どこかに体をぶつけた時に感じる打撲痛に似ています。皮膚の表面がヒリヒリする感じや鈍い痛み、体の重だるさなどがマッサージを受けた後に出現した場合は揉み返しが考えられます。

(b)症状の悪化

マッサージは症状の改善を目的として行うものですが、反対に症状が悪化してしまった場合は揉み返しによる反応であると考えられます。余計に痛みが強くなった、前より可動域が狭くなった、動作が辛くなったなどは本来マッサージで狙うべき効果とは反対の現象です。症状の悪化が一時的であれば好転反応と考えることもできますが、改善が感じられなければ揉み返しであると理解します。

(c)筋肉痛のような痛み

これは主に好転反応の際に見られる反応ですが、運動後に出現する筋肉痛に似た張り感や鈍痛、動作時痛も揉み返しの一つといえます。筋肉痛は辛いものの不快ではなくどちらかといえば心地良い痛みだったりするわけですが、筋肉痛は多くの人が経験している現象なので不安感も少なく、なんとなく「一時的な現象である」と想像することができるのであまり問題にはなりません。

マッサージは少なからず「体に刺激を加える行為」です。刺激を加えるということは必ず「反応」が起こります。この反応が程度によって揉み返しだったり好転反応だったりするわけです。

揉み返しが発生しやすいリスク要因

マッサージにおける不快な反応である揉み返しが発生する要因には下記の共通点があります。

(a)急激な変化

マッサージでは体に対して押したり伸ばしたりといった刺激を加えることで血流を改善したり筋肉に柔軟性を持たせることが可能です。つまり悪い状態から良い状態へと「変化」させるわけですが、この変化が急激であればあるほど揉み返しのリスクが高まります。例えば「一回で改善したい」という場合はどうしても刺激の量を増やす必要が出てきます。一回のマッサージ(60分)で改善しようとすると一度に大量の刺激を体に加えることになり、その分、過剰な反応を誘導させることになり揉み返しに繋がります。

(b)痛いマッサージが効くという「誤解」

マッサージを受けるときの「ちょうど良い力加減」はとても難しいテーマです。一般的に言われている基準は「痛気持ち良い」です。体を押された時に「少し痛いけど気持ち良さの方が上回る」といった感覚です。しかしマッサージは「痛い方が効く」と誤解している場合は痛みを我慢してマッサージを受けているため結果として揉み返しを引き起こします。マッサージを受ける前提として「リラックスしている」ことが重要です。

(c)特定個所の連続刺激

マッサージの施術個所が特定の部位に集中してしまうと揉み返しのリスク要因になります。例えば首が辛いからといって首を集中的に刺激を入れてしまうと過剰な反応を誘発します。また特定の筋肉を集中的に施術してしまうことも同様の結果を招きます。マッサージはあくまでも「症状のある箇所を中心に」です。特定の箇所に集中して刺激を入れることは揉み返しのリスクを高めてしまうので「全体としてバランス良く」を基本とします。

揉み返し回避術

あなたがマッサージを受ける際に、揉み返しを回避するための対策について解説します。

(a)脱マニュアル施術

多くのマッサージ店ではマッサージの施術は「マニュアル化」されています。決まった手順通りに決まった箇所を順番にほぐしていくの一般的です。しかしマッサージとは本来なら「患者さんの体に合わせて施術する」ものです。揉み返しの「出やすさ」はマッサージの受け方の他にも「個体差」「個人差」「体質」が大きく影響します。痛みに対して過敏に感じる場合、比較的痛みに耐性がある場合、本人は少し痛いくらいのマッサージが好みだが体は痛みに弱くて揉み返しが出やすい場合などケースバイケースです。揉み返しを回避したい場合はあなたの身体に合わせて施術してくれるお店を選ぶことが大切です。

(b)強い刺激の施術

マッサージの力加減は「好み」による部分も大きい要因となりますが、いわゆる「強もみ」系のマッサージは揉み返しのリスクが高くなります。強もみのマッサージを受け慣れていて、強い刺激に対して体がどんな反応を示すのか自身でよく理解している場合は問題ありません。しかし上述したように「痛い方が効く」「強く押してもらった方が気持ちが良い」は正しい理解とは言えません。また普段はリラクゼーション系のマッサージ店で施術を受けている人が、整骨院や整体などの本格的(治療的)マッサージを受ける場合も注意が必要です。リラクゼーション系の施術は基準として強めの刺激でも「比較的優しい刺激」です。同じ感覚で本格的マッサージの「強もみ」を受けると非常に「強い刺激」となります。このようにお店やマッサージのスタイルを考慮して「受け方」を判断しましょう。

(c)長時間施術

マッサージ施術時間は「長時間の方が効く」と理解しているケースがあります。確かに、マッサージの効果はある程度、施術時間に比例する傾向があります。しかしマッサージは上述したように「刺激を加える行為」です。つまりマッサージを受けることも「体力が必要」ですし、時には「負担」となってしまい、マッサージのメリットよりもデメリットが上回ってしまうこともあります。もちろん長時間のマッサージに慣れて入れば問題ありません。しかし慣れていない人がいきなり長時間のマッサージを受けることは揉み返しのリスクを高めてしまいます。最初は30分程度、慣れてきたら60分、90分と長時間の施術を選択することで不要な揉み返しを回避できます。

秘技!? 揉み返しを狙って効果を出す施術

一般的に揉み返しはマッサージの弊害として「良くないイメージ」があると思います。しかし好転反応としての側面を最大限に活用することもテクニックの一つです。そこでここでは改善を目的として「あえて揉み返しを狙うマッサージ」について解説します。

(a)インフォームドコンセントが大事

大前提として「意図的に揉み返しを狙う」という趣旨を説明して理解してもらう必要があります。なぜあえて揉み返しを狙うのか、その狙いによってどのようなメリットとデメリットがあるのか、良く理解してもらった上で患者さんのニーズと一致すれば施術を実施します。

(b)短期間に改善を狙う

あえて揉み返しを狙うケースとしては「短期間に改善を目指す」場合です。短期間に改善を目指す場合、どうしても刺激の「量」が多くなります。例えば1週間後にフルマラソンを走る予定があり、膝の痛みをなんとか改善したいといった場合、膝の状態から判断して通常であれば改善までに数週間必要であると考えます。しかしなんとか走れる状態にしたいといったニーズがある場合はあえて揉み返しを狙って膝を治療する場合があります。

(c)好転反応としての揉み返し

好転反応は「大きくジャンプするために一度膝を深く曲げる」ような現象です。一時的な揉み返し(リスク)を受け入れることで早期改善を目指します。揉み返しだけが発生して終わりでは意味がありませんが、その先に早期改善という期待値があれば一時的な揉み返しも「受け入れる価値がある」と思います。ただ、この方法は誰でもできることではありません。揉み返しについて熟知し、患者さんの個体差、反応の度合いなどを把握した上で実施されるべき考え方です。

揉み返しには弊害としての揉み返しと、改善を前提とした一時的な反応である好転反応の2つがあります。弊害としての揉み返しは対策を講じることでリスク管理が可能であり、好転反応はその先のメリットを享受することを前提として「狙う」ことができます。ぜひ揉み返しの対策に活用していただければと思います。

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