ケガ

肘の内側が痛いときに役立つ情報について整骨院の院長が解説

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肘の内側 痛い

肘の内側の痛み、放置していませんか? みなさんこんにちは。笹塚トレース整骨院の石垣です。肘はあらゆる動作で使われるので日常生活でも地味に気になる痛みです。そこで今回は肘の内側の痛みについて解説します。この記事は肘の内側の痛みについて「とりあえずどうするのが正解なの?」という疑問を持つ方にオススメです。

(a)ケガ

ケガによる肘の内側の痛みは主に運動によるものとアクシデント的な事故です。運動による肘の内側の痛みは運動中のケガ、つまり肘を過度に伸ばしたり、反対に強い力で曲げてしまうなどの動作が強制された時に肘の内側に位置する筋肉や靭帯を痛めてしまうケースです。いわゆる「捻挫」です。また転倒などの際に身体を支えるために地面に手をついたときの衝撃で肘の内側を痛めてしまうことがあります。小さな子供の場合は「肘内障」といって脱臼のような状態に陥ることで肘周辺に痛みを出すことがあります。これらは「明確に肘を痛めた原因が存在する」のでわかりやすい事例だと思います。

(b)疲労の蓄積

疲労の蓄積で起こる肘の内側の痛みは「特に肘を痛めるようなことはしていない」という認識が多いです。明確な原因が浮かばないわけですが、これは長時間スマホを使用する際に、一定の姿勢(肘の角度)を維持することが負担の蓄積となります。同じ理由で重い荷物を手で持って長時間歩いた、赤ん坊を腕に乗せて抱っこする、なども、荷物や赤ん坊を支えるために肘を軽度屈曲の角度を維持し続けたのが原因です。このような原因はスマホを使用している時、または荷物を持っている時には痛みが出ず、その後の動作(雑巾を絞る、着替えのときに肘を曲げ伸ばしするなど)で痛みを感じることが多いので、原因と痛みの発生にはタイムラグがあります。原因が浮かばない時は時間をさかのぼって考えると原因が見つかります。

(c)反復動作

肘の内側の痛みで最もメジャーなのが反復動作によるものです。ゴルフ(ゴルフ肘)、テニス(テニス肘)、バドミントン、卓球、野球(野球肘)、など腕の酷使して同じ動作を繰り返す競技では肘の内側に痛みが生じます。また筋トレでは腕立て伏せやダンベル、バーベルなども同様です。これらは繰り返し動作による炎症の痛みだったり、上記で挙げた疲労の蓄積によって筋肉や靭帯、腱が損傷をを受けた結果として発生します。

これら3つの原因は、肘の内側の痛みを改善していく上で、必ず明らかにしなければなりません。なぜなら肘の内側の痛みは「原因を回避しなければ治らない」からです。どんなに優れた治療やケアをしても、原因が残された状態ではほとんどのケースで痛みが再発します。

肘の内側の痛みは病気なのか?

肘の内側の痛みを積極的に改善するべきか、それとも放置して様子を見るかの判断に必要な項目をまとめました。

(a)多くは「炎症」の痛み

肘の内側の痛みの初期段階は「炎症による痛み」と判断できます。特に運動や掃除などで「肘を使い過ぎた」といった原因がある場合は患部を冷却し炎症が治まるの待つことで問題ありません。一方で転倒による強い衝撃、肘関節が強制的に伸びてしまったなどは靭帯損傷や剥離骨折の可能性もあります。肘の内側に痛みが出た「原因」で対処法が異なります。

(b)痛みが継続する場合は筋肉や腱

強い痛みではないが「動かすと痛い」「鈍痛が継続している」ような場合は筋肉や腱、靭帯の損傷が考えられます。痛みの「感覚」だけであれば自然と消えるかもしれませんが、運動などで再び肘を酷使する場合はきちんとケアが必要です。痛みの程度により安静、固定、マッサージなどを組み合わせながらケアします。肘に痛みがある状態を放置して、さらに負担をかけ続けると肘関節の変形や可動域制限(完全に伸ばせなくなる、または完全に曲げられなくなる)を引き起こします。可動域制限は日常生活では問題になりませんが、運動(ゴルフのスウィング、野球の投球動作など)では大きな支障となります。将来的なリスクも考慮した処置が必要です。

(c)セルフケアは湿布や固定

痛みの初期段階としてはセルフで患部を冷やしたりサポーターで軽く固定するなどの処置で問題ありません。強い痛みが落ち着いたら冷やすことよりも温めることを優先して患部の血流を促進してあげてください。このまま痛みが消えて可動域制限が残らなければ特に病院や整骨院にいく必要もありません。

肘の内側の痛みが改善しないとき

肘の内側の痛みはセルフで安静にしてケアしても完治しないケースがあります。特に運動や家事で繰り返し負担がかかる環境では痛みが慢性化し、難治性の痛みになってしまうので注意が必要です。

(a)原因となる動作を回避する

結局のところ、肘の内側の痛みがアクシデント的な原因によるものではない場合、ほとんどは「繰り返し動作」による痛みです。つまり改善のための治療は「原因となる動作を回避する」しかありません。つまりは痛みが改善するまで安静を保つしかありません。改善までにはある程度の時間が必要ですが、下記で解説するマッサージは改善までの時間を短縮させることが可能です。原因となる動作を回避すれば時間の経過と共に改善するわけですが、早期改善を目指すならマッサージという選択肢もあるということになります。

(b)患部を温める

肘の内側の痛みに対してセルフでできるケアは患部の温めです。ケガなどの炎症による痛みが落ち着いた後、それでも痛みが残る場合は筋肉の硬さや血行不良が問題となります。この筋肉の硬さと血行不良を改善する方法として有効なのが温熱なのです。

(c)マッサージでほぐす

肘の内側の痛みをマッサージで改善するのは、試合など本番が近く「5日後の試合までになんとか改善したい」などの状況で効果的です。マッサージは、本来なら安静にして回復を待たなければならない時間をお金で買っているようなものです。また、痛みが出るのは仕方ないにしても本番の試合で少しでも痛みを軽減したいといったことも可能です。

あくまでも目安ですが、肘の内側の痛みを1カ月放置しても改善しない場合は、そのまま放置しても改善しない可能性が高いので病院や整骨院で適切な処置を受けることをオススメします。痛みのある期間が長ければ長いほど(放置すればするほど)、改善までに必要な時間も長くなります。

アクシデントによるケガに発生した肘の内側の痛みは適切に処置すればほとんど後遺症の心配はありません。しかし小中高生の運動、継続的に運動をしている場合は完治しないだけでなく、可動域制限や神経圧迫による痺れや感覚障害、手指の変形に至ることもあります。放置しても良い期間、状況を把握し、きちんと判断しなければいけないのが肘の内側の痛みです。

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