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整骨院業界の闇? バラバラな料金体系について解説

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整骨院 料金

整骨院は本来、保険診療を取り扱う医療施設です。つまり明朗会計で安心して施術を受けることができる場所です。しかし実際は整骨院によって料金がバラバラで、細かい説明がないまま料金を請求されることが多くあります。そこで今回は整骨院の料金体系について解説します。

(a)保険負担金

保険証を使っての診療であれば保険診療という料金体系に基づいて計算されます。保険負担金は一律で定められた金額なので、基本的に整骨院によって高い・安いはありません。保険負担筋は法令によって高くまたは安く徴収することがNGとなっています。

(b)初診・再検・継続

整骨院では初回(初診)、2回目(再検)、3回目以降(継続)といった分類が存在します。この3つの分類はそれぞれ金額が異なり、一律に決められた料金体系の中でも診療内容の違いに合わせて料金に違いがあります。

バラバラな料金体系の謎

ここではいわば法令を無視しているといっても過言ではない、謎の料金体系について解説します。皆さんに注意していただきたいポイントになります。

(a)保険負担金

保険負担金そのものは法令で定められた金額を支払います。しかし実際は整骨院によってバラバラです。これは整骨院側で勝手に”上乗せ料金”としていることがほとんどです。一部の整骨院では本来含まれているはずの初診料を別の項目として加算している院も存在します。ただ、整骨院業界に古くから存在する習慣として「保険外として料金を多く徴収する」ことは暗黙の了解となっているため、現状では違法となりません。しかし保険負担金以外の料金を徴収している整骨院の多くは、あたかも保険負担金であるかのような説明(または説明なし)で料金を提示してきます。個人的には悪しき習慣であると感じています。

(b)自費診療料金

自費診療に関してはまさに「言い値」なので整骨院によってバラバラです。いわゆる時間単価(10分1000円など)で設定している場合や時間に関係なく結果または施術の提供に対する対価として設定されています。昔ほどは減ったとおもっていますが、いまだに自費診療の金額を説明せずに施術をおこない、あとから高額な料金を請求する整骨院も存在しています。最近では時間単価よりも一回で1万円を超える自費診療も目立つようになりました。返金保証を謳うことで心理的ハードルを下げていますがコスパについて十分に検討する必要があります。

整骨院の作戦

上記で説明したバラバラな料金体系には整骨院側の意図があります。売上を作るための作戦、そして新人スタッフや無資格者などでも売上を上げるための作戦です。

(a)どんぶり勘定

筆者も患者としてとある整骨院を訪れた際、料金の説明を全く聞くことなく施術をスタートされた経験があります。しかもいきなり鍼を刺されて怖かった記憶があります。そして会計では「6000円になります」とのこと。明細について尋ねると「ありません」の一言。結果が伴えばこれを高いと感じない場合もあるとおもいますが、不誠実極まりないと同業ながらに感じました。整骨院は昔と違って保険診療のみでは経営が厳しくなりつつあります。そこで少しでも単価アップを目指しているわけですが、病院のように診療明細を出すことなくトータルの金額のみが記載されたレシートを発行しています。このような現状で整骨院が社会的に、そして世間的に認められることはないでしょう。

整骨院 料金

(b)権威性

上記の内容に付随して、なぜどんぶり勘定がまかり通るのか。それは権威性を利用しています。「この道30年のベテラン」「芸能人御用達」「アスリートが通っている」などの付加価値を用いることで、料金について尋ねにくい関係性を構築しています。これは年配の施術者や院長などの立場にある人間に多い傾向です。これも結果が伴えば納得もできるかもしれませんが、結果が伴わないまま、そして言われるがまま通院を続けても結果が出ないという不満を抱くケースのお話をよく耳にします。患者ファーストでない整骨院はいまだ多く存在します。

整骨院の無料メニュー

料金の説明に加えて、下記の2つは整骨院において「無料」と謳われています。確かにお金はかかりませんが無料という表現には疑問が残ります。

(a)自賠責保険

交通事故によるケガは自賠責保険の適応になります。ケガの治療にかかる費用は保険会社を通じて自賠責機構から支払われます。これを整骨院が代理請求する仕組みなので患者さんは無料で治療を受けられるという解釈になっています。患者さんの負担はありませんが、その分の治療費は整骨院がしっかりと請求を出しています。この仕組みは基本的にどの整骨院でも共通しているものです。

(b)労災

労災は業務上のケガと通勤中のケガに対応した保険になります。自賠責同様、ケガの治療費は労働基準監督署から支払われます。これを整骨院が代理請求する仕組みです(患者さん本人が請求するケースもあります)。やはり患者さんの負担金は無料と表現されていますが、理屈としては整骨院が代理請求するというのが正しい解釈となります。

筆者も整骨院業界の人間ではありますが、整骨院の料金に関してはモラルの欠如を感じています。また不誠実な料金体系は信用を失う行為なのでぜひ改めてほしいとおもいます。

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