よくある痛み

柔整師が解説! 反り腰が原因の腰痛を改善する3つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
反り腰 腰痛

反り腰が改善されれば腰痛が治るのではないかと考えたことはありませんか? 臨床の現場では腰痛の改善ではなく「反り腰」の改善に取り組むことで、結果的に腰痛が改善されることがあります。

(a)骨格

反り腰を抱えるひとの多くは「猫背」「お尻が出てる」「O脚」の傾向があります。つまり背骨、骨盤、脚の骨格に特徴があり、結果として「反り腰」を招いているといえます。

反り腰 腰痛

(b)筋肉

骨格とは別に、反り腰は筋肉の影響を強く受けていると考えられています。骨盤や背骨の「歪み」を強化してしまうのが筋肉の「硬さ」です。柔軟性が低下した筋肉は緊張したまま、骨を引っ張り続けます。これが腰の反りを強くしてしまうのです。

(c)体形

反り腰に影響を与える体形として2つのパターンがあります。1つはやせ型体形で、全体的に筋肉量が少ない傾向にあることが要因と考えられます。これは筋トレなどで腰回りの筋肉を強化することでも反り腰の軽減につながります。もう1つは肥満体形で、特に腹部の脂肪が多いメタボ体形が反り腰を招いていると考えられます。腹部に脂肪が蓄積すると身体全体として重心が前方に引っ張られてしまうため、結果として腰が反る姿勢になってしまいます。

反り腰と腰痛の関係

反り腰と腰痛はセットで議論される傾向が強いですが、必ずしも関連があるとは限りません。

(a)反り腰=腰痛ではない

腰痛の原因が反り腰であることは多いですが、反り腰だからといって必ずしも腰痛を患っているかというとそうではありません。反り腰であっても腰痛を感じていないケースは比較的存在します。つまり反り腰そのものが「悪いこと」とは言い切れない側面があるのです。反対に、反り腰を改善できたとしても、同時に腰痛が改善するかどうかは別問題です。

(b)反り腰+αが問題

反り腰を気にするひとは多いですが、実際の腰痛改善の施術において反り腰の改善は比較的時間がかかります。つまり、反り腰の改善よりも優先順位として改善すべきポイント(筋肉の硬さや骨の歪みなど)はほかに存在し、これらの改善アプローチによって腰痛の改善を実感するのが筆者の印象です。反り腰そのものよりも、上記で解説した反り腰を引き起こす要因(骨格、筋肉、体形)へのアプローチを優先し、結果的に反り腰が軽減して腰痛の改善にいたるのが現実です。

(c)反り腰は筋緊張の低下を招く

反り腰という背骨の形状において問題となるのは、背骨の「反り」よりも「筋緊張の低下」です。少しわかりにくい概念になりますが、反り腰では本来あるべき筋緊張が低下した状態を招いていることがあります。本来あるべき筋緊張とは上半身を支えるために必要な緊張で、これが低下すると腰の痛みや不安定感が強くなる傾向にあります。施術者としては触感の違いで判断が可能ですが、自身の感覚として判断が難しく、表現としては「腰が抜けている」「腰に力が入らない」という状態となります。腰痛の改善には反り腰よりも筋緊張の低下の方が先に改善すべき要因です。

反り腰を改善するために必要な3つのポイント

反り腰の改善を目指す上で、セルフでできるアプローチが2つ、施術でのアプローチが1つあります。これは短期的なアプローチではなく、長期的にアプローチをおこなうことで効果を発揮します。

(a)股関節屈曲ストレッチ

股関節を屈曲する動きは、坐骨結節に付着する大腿二頭筋のストレッチ効果が得られます。反り腰は骨盤が「前傾」している状態ですが、これは大腿二頭筋の緊張による影響が強く関係しています。自身で股関節の屈曲を最大可動域でおこなうことで筋肉の柔軟性を高めます。またマッサージや整体などの施術でも大腿二頭筋、特に坐骨結節付近の筋肉にアプローチするのも効果的です。

反り腰 腰痛

(b)ドローイングトレーニング

ドローイングトレーニングとはお腹をへこませる「だけ」のシンプルなトレーニングです。このお腹をへこませた状態が反り腰や筋緊張の低下の軽減に役立ちます。ドローイングトレーニングを行うという意識よりも、ドローイングトレーニングのおけるお腹をへこませる状態を日頃から意識して過ごすようなイメージです。お腹から背中方向へお腹をへこませ、前方に引っ張られている腰骨を後方に押し戻すようなイメージで姿勢をキープします。これを身に付けることで腰に安定感を与えることができます。

(c)腰を支える筋肉へのアプローチ

腰痛の改善を考える際に「腰」だけにフォーカスしてはいけません。腰が持つ機能を十分に発揮するためには腰をサポートするお尻と太ももの筋肉の状態を良好に保つことが重要です。もし腰が痛いからといって腰だけにアプローチしている場合は、腰の「周辺」にアプローチを試してみましょう。また腰は背中の筋肉の影響強く受けます。特に背中の脊柱起立筋へのアプローチは腰痛を改善する上で欠かせない要因です。自身でのアプローチが難しいのでマッサージや整体での施術を受ける際に意識したいポイントです。

反り腰は「完治」という考え方よりも「軽減」が現実的で、軽減した状態をいかにキープするかが大切です。反り腰が軽減した状態を維持するために日常的にお腹をへこませることを無意識のレベルで実践し、マッサージや整体による施術を活用しながら腰痛を予防することが現実的な合格ラインであると筆者は考えます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

キーワードを入れてください

記事に基づいた施術の相談